いつも通りです
定番のブレーキパッド交換、今回はリアのブレーキパッドとローターを交換します。ただボルボには、EPB(electromechanical parking brake)というご大層なモノがついています。ただの電動パーキングブレーキです(笑) これをリリース(解除)してあげない事には作業ができません。これはOBD2自動車診断機なるものがあれば簡単に解除できます。もしくは VDASH2 ですね。これを使う事で各サービスの変更が可能です。
この Autel DiagLink 辺りを持っておけば良いと思います。これひとつで診断やエンジンチェック、オイルリセット、バッテリーリセットが可能なので外車乗りでDIYメンテする方は必要かな?と思います。あると便利ですし、昔国産スポーツカーで自分でメンテしてた方々なら余裕でメンテできると思います。
作業開始
面倒なので細かな部分はカットしていきますね。
当然DIYなので完全自己責任でお願い致します。私は何があっても関知しません。当然ですが機材が壊れる可能性もあります。作業には十分注意して行ってください。当然当方は一切の責任を負いません。
ジャッキアップして持ち上げたらホイールを外します。ここまでは簡単ですね。リアローター・パッドとも Bosch を選択しました。
- Bosch 52011373 QuietCast Premium Disc Brake Rotor $75.46 (記事掲載時 \7,855 )
- Bosch BP1307 QuietCast Premium Semi-Metallic Disc Brake Pad Set $39.57 (記事掲載時 \4,119 )
この位の金額なら国産車と大差無いと思います。海外から直輸入しています。製造も天下の Bosch(ボッシュ) なので一般走行程度なら問題無いと思います。ちなみに純正だとパッドは定価で(記事掲載時) \14,472。ローターは(記事掲載時) \28,826 だそうで…。評判の良いDIXCEL製でも、パッドローターセットで1.8万円位します。。
キャリパーブラケットとブレーキパッドを外す
まず、EPBを解除してメンテナンスモードにします。これでピストンがフリーになり押し戻す事も可能になります。
次に、パッドを外す為、キャリパー外側の2本のうち1本を外します。そうするとブラケットが動くので、持ち上げればパッドは外せます。パッドを外したらキャリパーの内側(裏側)にあるボルト2本で止まっているので外します。これ、見て判る通りネジロックがついているのでかなり硬いです。
はい、外れました。簡単ですね。パッド交換ならキャリパーブラケットを外す事も無く、ここでパッドを新品に変えてしまえば終わりです。今回はローターも交換するので、更に作業を進めます。
ローターを交換する
写真撮り忘れた…orz
新品ローターを見ると5穴以外にひとつ穴が空いていますね。ここにプラスネジがあります。これでローターが止まっています。このボルトを外す事で、ローターがフリーとなって外す事ができます。交換したら、同じ場所に合わせて元のプラスネジを締めてしまえばローター交換は完了です。せっかくなのでシャシーブラックで塗装しておきました。
ブレーキパッドを交換する
そうしたら元通りに組み上げるだけなのですが、その前に外したパッドを見てみると…随分減っているのが判ります。もうすぐ地金に届きそうなので交換して正解でした。元と比較するとすさまじいですね。ちなみに最近の車はフロントよりリアが減りやすいそうです。コーナー中に挙動を安定させる為、自動でリアブレーキをちょいちょい掛けているそうです。これは前のBMWでもそうでした。サーキットの様にフロントへ荷重を掛ける運転をするとフロントから減りますが、一般道ではリアから減るとの事でした。
そうしたらパッドが減った分、ピストンを押し戻してあげる必要があるのですが…このピストンの空いているところ、90度ずつに切り欠きがあるタイプは初めてでした。国産用のキューブタイプは持っていたのですが、当然使えません。何とか創意工夫して戻しましたが、とてつもなく重労働しました…ピストン戻しは専用品を買うべきだと思います。ちなみにリアはこの様に時計回りに回すとピストンが戻っていきますが、フロントはそのまま押し込めば良いので楽です。
ピストン部分とキャリパーのメンテ
ここも完全に写真忘れです。ピストンは若干飛び出ていると思いますが、ピストンカバーのブーツを傷つけないように端めくってブレーキラバーグリスを注入します。溢れてきたら一旦締めて少ししたらもう一度捲ります。こうする事で内部のガスを抜けます。
キャリパーのスライドピンも一度抜いてから、清掃して戻します。その際に自分はコパスリップを塗ってから戻しました。昔はF1でも使っていた耐熱性の高いグリスです。これかなりオススメ。コパスリを知っているだけで通ぶれるのも良いです(笑)
ピストンを戻す
こういうタイプのピストン戻しで押し込めば戻ります。フロントは。EPB付きのピストンは特に戻すのが大変らしく、検索するとユニットをバラしていたり、このフロント用ので無理矢理押し込んでたり、ウオーターポンププライヤーを延長して押し戻してたり…様々でした。。
この汎用キットも持っているんですが、何とひとつも使えないんですよ…。。
このヘンなら合うかも知れませんが、ギャンブルするにはちょっとお高いですね…溶接できる人にサクっと作ってもらうのが一番かも知れません。
交換したリアローターは…
厚みはまあまあありましたが、縁が出来ていますね。ローター面にも筋が入っているので、同時交換して正解だったと思います。
最後の仕上げ
まずキャリパーブラケットを元通りに付けます。ここが固定したら、キャリパーの上側を取り付けます。
パッドはキャリパーブラケットに差します。この時にパッドについていた金属の金具の様なものが付属していたと思いますので、それを新品と交換します。パッドがブレないようにする為の鳴き止め金具ですね。この金具も動かないようにブレーキラバーグリスを塗っておきましょう。
パッドは面取りしてからキャリパーに装着します。面取り方法は適当に検索してね。角をヤスリで軽く削るだけです。で、装着したらこちらにもブレーキラバーグリスを塗りますが、自分は高粘着消音グリスを塗りました。
消音にはかなり気を使っているので、パッドの音をカタカタさせたく無いんですよね。アタリもきっちり出したいので、こういう滅多にバラさない消耗品はケチらない方がいいと思います。最後にキャリパーの閉じてスライドピンを位置合わせしたら、ボルトを締めて交換完了です!
……おっと、忘れていました。ブレーキフルードのエア抜きをしないといけませんね。
アストロプロダクツ ワンマンブリーダー。
そして使用するフルードは、レーシング ギア ( RACING GEAR ) ブレーキフルード DOT4.2です。純正が DOT4 相当なので、それよりかは若干良いものを使いました。これ、性能の割に安くてコスパが良いんですよ。純正よりかなり安い上に、サーキット走行しても結構持ちます。DOT5.1 程は気を使う必要もなければ、タッチも悪くありません。エア噛みする事もありませんし、以前の本庄サーキットでも十分耐えました。勿論もっとハイパワー車ならともかく、街乗りメインならコレで十分です。
交換してみると…うわぁって感じに真っ黒です。ディーラー整備が全くされていなかった事が証明されましたね。納車整備って高いお金取って一体何してるんでしょうな。相変わらずディーラー不審は続きます(ため息)。余談ですが、購入店舗には二度と行っていません。今は信頼できるディーラーを見つけたので、そちらで整備をして頂いています。勿論保証も引き継いで頂いているので満足しています。
最後の最後にメンテナンスモードを解除し、EPBも元に戻して元通りとなりました。エア抜きした後は、もう一度各ボルトがちゃんと締まっているかどうか確認したり、漏れが無い事を確認してください。それから一発目のブレーキは一瞬ペダルが柔らかいのでびっくりするので気をつけてください。
それからブレーキパッドとローターのアタリが付くまでは急ブレーキを避けましょう。一気に熱を入れるとローターが歪んだりパッドがローターにひっつきます。ゆっくりと500kmも走ればアタリが付くので、それまでは優しく扱いましょうね。
こんな感じでリアのブレーキパッドとローターを交換しました。フロントもほぼ交換手順は変わりません。EPBが無いのでその辺りの手順がいらないのと、キャリパーのピストンに穴が空いていて、そこにブレーキパッドを差し込む必要がある…くらいの差しかありません。
あとエア抜きする際に注意する事です。
- 元のリサーバータンクの蓋を空けて圧力を逃しながら行う事
- フルードが空にならないように継ぎ足ししながら慎重に行う事
- エア抜きはリザーバータンクが一番遠い所から順番にやる事
以上です。
これらに気をつけて自分の愛車をメンテしてあげてください。何より命を預かる車です。細心の注意を払って作業しましょう。