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2023/4 ハンガリー訪問記 その2

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ブダペスト中央市場から散策

最初に訪れたのは、ブダペスト中央市場。この中央市場が完成したのは、1897年だそうです。

ネオゴシック様式建築で、今は復元されたそうですが一番のお土産観光地となっている屋内型の市場です。1 階には食料品店があり、2 階には土産物店とちょっとした食べ物屋がありました。

ここで注目すべきは、マンガリッツァです。殆どの人は聞いた事すら無いと思いますが、豚です。なんだ…ただの豚か…とお思いの貴方。何とこのマンガリッツァ。ブタペストの国宝扱いとなっています。世界で唯一の食べれる国宝だとか。何故、マンガリッツァが国宝指定されたのかというと…詳しくは省きますが、19世紀には1,000万頭ほど居たと言われています。そこから乱獲が始まり、何と1990年台には191頭まで減少…

このマンガリッツァがどれだけ美味しいか判ってもらえるでしょうか。そこから国が保護を始め、今では5万頭まで増えたそうです。その為に輸出するにもとても厳しい制限が掛けられているそうで、ブダペストに来たらまずはこのマンガリッツァ肉を食え!と言われる程だそうです。実際に食べてみたレポは後ほど…

こちらが2階のお土産屋です。ハンガリーの名産と言うと、すぐには思い出せないと思います。前回の歴史でも語った通り、ハンガリーは戦争に多数巻き込まれた為、様々な文化が異国よりもたらされました。その為、日本のような独自のガラパゴス文化というより、占領下にあった国の文化がそのまま根付いた…というのが正しい認識だと思います。共産圏時代の影響もあり、陶器やマトリョーシカ、織物といったソビエト文化が目立っていました。

他に特産品といえば、アカシアはちみつ・ハンガリーチョコレート・パプリカパウダー・トカイワインですね。特に最後のトカイワインは貴腐ワイン(貴腐葡萄から作れるワイン)のなかでも世界最古と言われ、フランス・ルイ14世も愛飲したという話もあります。実際の味は「極甘」ですが、これも白・赤それぞれで若干の差はあります。デザートワインという感じですね。

織物はカロチャ刺繍という、独特の花をモチーフにした刺繍もあります。但しこちらはやはり若干お高めな感じでした。カロチャ刺繍が入った服なんかも売られていました。

ブダペスト中央市場からブダ城へ…

ブダペスト中央市場を出て、ドナウ川にかかっている Liberty Bridge を渡って北へ3km程。その山の上にはブダ城があります。ブダ城までは歩く事もできますが、せっかくなのでブダ城ケーブルカーに乗ってみました。

数百円程度ですがチケットを買うと乗れます。時間次第だとは思いますが、比較的すぐに乗れるはずです。ここはかなりの急勾配で下を見ると怖いだろうなーとは思いました。その内に木の間からドナウ川、そして対岸のペスト区が見えてくるので否応なしに気持ちが高ぶりますね。

ブダ城。現在は、ハンガリー国立美術館があってさまざまな作品が展示されています。ゴシック様式の祭壇等がありますが、残念ながら復元したものが非常に多いです。更に言うと、ブダ城自体が19世紀に復元されたものです。

元々は13世紀半ば、ブダにハンガリー王ベーラ4世が居城を築き、14世紀にはラヨシュ1世によって城の周辺にゴシック様式の王宮が建造されたと言われています。その後、17世紀から18世紀にはハプスブルク家支配の下で増改築され、ゴシック様式にバロック様式が加わった城となって栄華を誇ったそうです。しかし、19世半ばに粉塵爆発よる大火災が起きて崩壊、その後に建造し直すも第一次・第二次世界大戦でまた壊滅的な被害を被りました。

1950年代にまた修復され、今に至っています。1987年「ブダペスト、ドナウ河岸とブダ城」の名称で世界文化遺産に登録され、更に2002年には「ドナウ河岸、ブダ城地区及びアンドラーシ通りを含むブダペスト」として拡張登録されています。つまりこのあたり一帯の景色がほぼ世界遺産という事です。

その為か警備も厳重でした。この警備の交代時間になると、その儀式が公開されるのでこちらも一見の価値ありですね。

ブダ城の中

このように当時の様子を何とか再現しようとしていますが、これらは全て修復されたものです。なので正直に言うと若干の寂しさはあります。当時のものは大半が戦時中に破壊されてしまったからです。

ハプスブルク家が残した宝物や、ハンガリー国内から集めてきたと思われるものが多数展示されていました。

修復されたとは言え、当時の様相が何となく想像できますね。この王宮の広場に兵士が集められ、ここから士気をあげて戦地へ赴いたり儀式をしたりしたのでしょう。

階段を見ると判りますが、小高い山の上にある城なので結構な急斜面です。

当時も下から見上げたら、こんな景色を見たのかな…と思いを馳せてのんびり過ごしました。

ハンガリー国立歌劇場へ

ブダ城のケーブルカーを降りて、Clark Ádám tér 駅から2駅、距離にして3km程。町のど真ん中に、ハンガリー国立歌劇場はあります。

ここは1858年創設に創設され、一般公開されたのが1884年9月27日。ネオルネッサンス建築の歌劇場としてスタートしました。客席数は約1,200席ほどとさほど大きくはありませんが、ハプスブルク帝国の二大王立劇場としてウィーン国立歌劇場と並び称された名門歌劇場と言われています。

当然歴代の音楽監督も豪華で、グスタフ・マーラー、エルネー・ドホナーニ、オットー・クレンペラー。音楽監督として名を連ね、客演指揮も、リヒャルト・シュトラウス、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、ヘルベルト・フォン・カラヤンといった錚々たる巨匠が在籍した事でも知られています。歌劇場なので当然メインはオペラが有名で、ブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団による「魔笛 (モーツァルト作曲)」は常に満員御礼だとか。

そんなハンガリー国立歌劇場。内部を回るツアーがあり、公式ホームページから予約する事ができます。予約するとメールアドレスにQRコードが来るので、現地でそれを提示すればOK。但し日本語はありません。ツアーにも参加してきました。

さすが…というかもう豪華絢爛。当然オペラはどちらかというと貴族の遊びなので、来場した人達はこの綺羅びやかな世界とオペラに浸る事を目的にしています。その為、どこを取っても非日常感を演出するように絵画を飾り金を纏い、赤い布を惜しげもなく使っていました。

余り詳しく説明してしまうと、現地での感動も薄れてしまうので詳細は語りません。ちなみにツアーの最後にはオペラ演者による10分程度の演目を楽しむ事ができました。ここはホールになっていて音響装置が無いにも関わらず素晴らしいオペラの一旦を見る事ができました。一見の価値はあると思います。

街を移動する為のトラム

街の移動に欠かせないのがこのトラム、簡単に言うと路面電車です。街の人達や観光客の足として、街中に通っています。この色合いも黄色をベースにした独特な雰囲気のある電車で、新しいものから古いものまで沢山の電車が走っていました。夜、近くに整備工場があったので見てきましたが、本当に雰囲気があって良かったです。

ただの移動媒体ではありますが、こういうその国や街の文化を知る事ができるものに注目するのも、ひとつの旅の楽しみ方だと私は思います。

Matild Palace へ泊まる

この日泊まったのは、エリザベート橋すぐ近くのホテル、Matild Palace, a Luxury Collection Hotel, Budapest です。マリオットのポイントがかなり貯まっていたので、それを使って泊まってみました。自分が旅先でホテルを取る時は、必ず1泊はハイクラスを入れます。それ以外はローカルで比較的安全で観光地に近い所を取ります。その国のハイブランドのホテルを知る事でどの位サポートが行き届いているか、部屋の質はどうかといった文化水準やスタッフの教育水準が判るからです。

ハイブランドグループでも、国によっては酷い所もあります。逆に国的にはそれ程裕福な国でなくとも、スタッフの教育が行き届いているという国もあります。施設に投資するのではなく人に投資しているんだな、とかそういう面が判るからですね。ちょっと変な楽しみ方ですが(笑

さすが世界文化遺産にも登録された観光地の一流ホテル…何から何まで最高でした。1泊しかしませんでしたが、スタッフの気遣いやアメニティに至るまで言う事無しでした。すぐ近くに大通りがあるので、夜はうるさいかもなぁ…と思っていましたが全く無音…遮音性も素晴らしいし、ベッドはふかふかだし…最高でした。

窓から街を見ると、何か現代とは思えないような景色が広がっていました。きっと1900年代最初も似たような景色だったんだろうなぁ…と感慨深く見ていました。こういう屋根ひとつとっても、その国の文化が判るのがとても面白いですね。

夜はここから徒歩圏内のイタリアンレストランでピザを食べてきました。

Trattoria La Coppola
値段も安く、雰囲気もとても良かったです。

ブダペストの旅はまだまだ続きます。

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