コンテンツへスキップ
ホーム » McLaren GT 試乗記

McLaren GT 試乗記

  • Car, Review

チャンスは突然に

先日、ある機会を頂いて、何とあのスーパーカー McLaren GT に試乗させて頂ける事になりました。
新車価格2,695万円。もはや家かよ!!という走る不動産といっても過言では無い車です。

今回、マクラーレン東京様のご好意で試乗する機会を頂きました。本当にありがとうございます。自分が有名なYoutuberならバリバリと宣伝したいところですが、残念ながらYoutuberでは無いのでこのブログでご報告したいと思います。

McLaren (マクラーレン) って…?

私達の様なおっさんには、やっぱりF1のイメージが強くあのアイルトン・セナが愛したチームと車、マクラーレン・ホンダが一番印象に残っています。しかし、昨今の日本のF1ブームの下火。数年前にホンダと改めてタッグを組んだのにも関わらず成績は伸び悩みチームはかなり低迷してしまった為、その知名度もかなり低くなってしまいました。

日本で若者にマクラーレンと言ってどれだけの方に伝わるかな、というのが現実だと思います。当日、セールスのご担当者と色々とお話させて頂きましたが、やはり知名度という点ではとても苦慮していると仰っていました。スーパーカーと言えば代表的なフェラーリ。そしてランボルギーニ。これらと並び立つブランドのはずなのに、知名度の低さ故になかなか認知してもらえない…という事でした。

拍車を掛けるように販売店舗が少ないので、欲しいと思ってもメンテナンスとか故障はどうするの…?という理由で、気軽に手が出ないのが現状だそうです。何せ東京より北に販売店が無いそうなので、北海道で購入してもメンテする度に東京へ運ぶ…となったらなかなか手が出ないのも事実だと思います。仙台店の計画はあったそうですが、現在コロナ禍の影響でいつになるかは…と言葉を濁されていました。同時に「本当に乗って頂ければいい車なのに…」と歯がゆそうなのが印象的でした。

McLaren GT について

McLaren GT|製品概要|マクラーレン-McLaren
こちらが公式ページです。ざっくりと概要を記載しますね。

  • 価格 : 2,695万円 ~
  • 馬力 : 620ps / トルク : 630Nm / 最高時速 : 326km/h (4.0L V8 エンジン ツインターボチャージャー / ドライサンプ)
  • 全長 : 4,685 mm x 全幅 : 1,925 mm x 全高 : 1,215 mm / 乾燥重量 : 1,466kg
  • 0 – 100km/h 3.2 秒
  • 100km/h – 0km/h  32mで停止
  • 200km/h – 0km/h  127mで停止

というバケモノなスペックを誇ります。自分達が乗っているGT4がスリックタイヤで250km/hから70km/h程度までで雑に120m程度という事を考えると、市販車のラジアルタイヤでこれは驚異的だと思います。

いざ実車へ!

おおおおお!!!めちゃくちゃカッコイイ!!!
フェラーリやランボルギーニと比較して、スーパーカーとしての雰囲気を纏いつつも若干控えめな印象を受けました。マクラーレンのオーナーは比較的目立つ事を嫌う方が多いようで、純粋にスーパーカーの運転を楽しみたいと言われているそうです。確かにこうやって見るとフロントは攻撃的というより、流線型でスマートな印象を受けました。


そして思っていた以上にバンパーの車高が高いんです。特にグラウンド・エフェクトを意識していると思うのですが、中央付近が盛り上がっているので、思っている以上に段差を気にしなくて済みます。現に、このマクラーレン東京の駐車場は地下にあるのですが、出ていく所に坂と段差が待っていました。それを気にする事もなく、普通に乗り越えていったので下を擦る心配すら皆無でした。セールスの方が「日常的に使えるスーパーカー」と仰っていた理由が判ります。

この位置から見るとかなり車高が低く見えますね。
やはりバンパーは攻撃的というより、エレガント。ぱっと見はテスラの様にも見えます。(当方、テスラ・ロードスターもテスラ モデルS/X も試乗済み)

ちなみに横幅が1920mmという事ですが、実際に運転してみるとその幅は殆ど意識しません。というより、まず見切りがとてもいい。スーパーカーなのに、視界がとても広いんです。

その理由のひとつがこれ。この下にエンジンが隠れているんですが、見れば判る通り、リアガラスまでの間に椅子2脚分の広さがあるんです。だから後方視界がとても良いのです。そして全面ガラスなので、遮るものがほぼ無く後方が見えます。そして、この車に関して言えばサンルーフもついていたので、狭っ苦しいスーパーカーの印象とは無縁でした。とにかく圧迫感が無いんです。スーパーカーと言えば、その性能と引き換えに多少の窮屈さは我慢せい、みたいな先入観を吹き飛ばしてくれます。これは若干ですが、コンセプトがAUDIのR8に近いなぁと思いました。

ちなみにトランク容量は420Lもあるので、ちょっとした旅行には全く困らないと思います。勿論電動開閉式です。フロントにもラゲッジルームがあり、こちらは150L。

いざコックピットへ…

バタフライタイプの跳ね上げ式ドア。サイドシルの厚みもたっぷりです。その割には乗り降りがとてもしやすいように設計されています。コレと真逆なのが、BMW i8です。あれはスタイルもいいし性能も申し分無いのですが、乗り降りが本当にしんどいです。サイドシルが若干盛り上がっていて、更に着座位置がかなり低いので助手席の女性がとても苦労して乗り降りしていました。

ドアは思っていたより場所を取らない(幅・高さ)ので、立体駐車場でも無ければ困ることは無いと思います。勿論、オートクローザー付き。半ドアでも勝手に閉まってくれます。

本当は一眼を持っていきたかったのですが、さすがに引かれたら嫌なので全てスマホで撮っています。画質の悪さはご容赦ください。

これが McLaren GT のコックピットです。真ん中にエンジンスタートのボタンと「N,D,R」のボタン。以上。

殆どの方はダイヤルに触れる事も無く、ただ D のボタンを押して発進すれば良いです。バックしたい時は R ボタンを押すだけ。そうしたらメーターの部分にバックカメラの映像がとても分かりやすく表示されます。さすがにアラウンドビューモニターみたいなものはありませんが、それでも必要十分だと思います。ほんの少しアクセルに触れるだけでとてもマイルドにバックできるので、これで困る事はまずありません。

ダイヤルは左右で機能が違いますが、スポーツモードやトラックモードという過激なモードが選べます。当然アイドリングストップ機能付き。スーパーカーでアイドリングストップ機能?とお思いの方もいると思いますが、それがこの車がGT、グランドツアラーである所以だと思います。とにかく快適さ、圧迫感から開放されるように作られているのだと思います。その証拠に駐車場や信号待ちの時に結構ブリッピングしてエンジンを煽ってみましたが、エンジンの振動がシートに殆ど伝わってこないんです。排気音は素晴らしく上品で、それでいてピックアップも素晴らしい。超軽量のフライホイールが入ったチューニングカーのようにエンジンの回転が上昇するのにも関わらず、その揺れや振動が伝わってこない。これがどれだけ凄い事か。

なかなか言葉では伝わりにくいですが、そういう細かな配慮が随所に盛り込まれていると感じました。

走行中のフィーリング

先程も書きましたが、まず運転がとてつもなく楽。そして不快感がほぼ存在しないと言っていいレベルだと思います。重心の低さからくる安定感とミッドシップに搭載されたV8エンジンがとてもいい仕事をしています。アクセルを踏み込みさえしなれば、とてもマイルドなグランドツアラー。全長が長いので曲がりくねった場所での軽快感は若干スポイルされているものの、その分直線での安定感は抜群です。当然クルーズコントロールも装備しているので、高速道路をひたすら走るだけなら大阪辺りまでノンストップで行っても、全く疲れないと思います。悪く言えばスーパーカーらしからぬ、良く言えばスーパーカーとは一線を介した造りだと感心しました。

ちなみに軽快感が乏しい、とは言いましたがそれは鈍重だという訳ではありません。寧ろ軽さも相まってハンドリングはピカイチです。近い感覚だとポルシェでしょうか。見切りも良いので、自分が狙ったラインにすいすいと乗せる事ができます。当然応答性もいいので、少しフロント荷重にしてあげればクイクイと曲がります。ミッドシップはリアエンジンの為、若干アンダー・オーバーになりがちなのですが、そこも電子制御のお陰で難なくクリアしていきます。

一度コーナリング中にわざと少しラフにアクセルを開けてみましたが、トラックモードにも関わらず即電子制御が入って挙動を修正してくれました。こういう制御は雨のような路面ミューが低い時に進化を発揮するでしょう。そして、それに応答するかのように脚がよく動いてくれます。走行中の段差も不快なく乗り越えていきますし、荒れ気味の路面でもハンドルが取られる事もなく、いなしていきます。ちなみに、かなり荒れた路面にはフロントが上がる車高調整の機能があるようです。

さすがにツインターボチャージャーなので、ブーストが掛かるまでは若干のダルさを感じます。そして、自分が一番気になったのは、スロットルバイワイヤの反応。極めて少しですがラグがあるんです。スポーツドライビングをするには、このほんの一瞬がもどかしいかも…とは思いました。しかし、逆に言えばそのダルさがシビアな部分を打ち消してくれるので、意識せず軽く踏めば快適な運転が楽しめるのでは無いでしょうか。そういうチューニングなのかもしれません。

あっという間の30分

勿論公道なので全開とは程遠い速度域での試乗でしたが、街乗りという一番シビアな中でこれほど快適なスーパーカーは、まさに GT の名前に相応しいと思います。渋滞あり、すり抜けてくるバイクがあり、狭い道幅にデカいトラック…そんな中、自身の大きさを感じる事なく快適に、かつ気軽に乗れるスーパーカーは比類なき完成度だと思いました。

最近はフェラーリも Roma という GT 寄りの車を発表しましたが、これも気になるところですね。機会があれば試乗してみたいと思います。

この様な機会を与えてくださった、マクラーレン東京様に感謝すると共に、是非広く色々な方々にも一度試乗してみて欲しいと思います。最近はSUVやミニバンもデカくなる一方なので、それほど違和感無く乗れると思いますよ。(車高の低ささえ慣れれば)

注) 後ほど車載動画を公開する予定です。

2021/10/28 Insta360 で録画してみました。VR動画です。
テストで作った雰囲気動画なので見なくてもいいです(笑)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください