コンテンツへスキップ
ホーム » ネタが無いので素人が発信者情報開示仮処分命令申立をやってみました!(2023/07/29 追記)

ネタが無いので素人が発信者情報開示仮処分命令申立をやってみました!(2023/07/29 追記)

  • Review

ネタはあるんですけどね

まだブログで書きたいネタはかなりあるんですが、最近やる事が色々と増えてしまいまして。歳を重ねると色々な柵やら依頼が増えるモノでひとつずつこなしていると、あっという間に1年が過ぎていきます。もう4月ですよ?こないだ年明けしたばかりなのに!?

という訳でネタはあるんですが、とりあえず思いついた企画兼自分のノウハウを貯めるという意味で、ツイッターの”発信者情報開示仮処分命令申立”を個人でやってみる事にしましたー。

ほっといても良かったんですが

まあざっくり言うと名誉毀損というか、ほぼ営業妨害レベルの投稿をした方がいましてですね。あーゆーのをほっとくと調子にのるので見せしめの為…というのもあるんですが、実際の所は実験台になってもらおうと思っています。素人が”発信者情報開示仮処分命令申立書”を出して通せるモンなのか?という事です。

ちなみに自分は裁判経験、比較的豊富です。

今まで弁護士に相談した事はありますが、実際の裁判で弁護士を使った事はありません。区長を訴えた時も初期段階で相談しましたが、そのあとの答弁書なり反論は全て自分でやりました。当然、裁判所へは自分で行っています。この件はまあ色々あって双方痛み分け…みたいなカタチになりましたが、やらかした担当者は飛ばされたらしい、とか内部の規則が変わったという情報を得たので良しとしています。

基本的に民事において、行政は自分達の落ち度をほぼ100%認める事はありません。自分は悪くないという公務員意識のせいだと思います。担当は自分の仕事をこなしただけで、それがどういう影響を及ぼしたとかには興味が無いのです。ちなみに裁判内容は個人情報の流出でした。

それ以外の裁判も一応全て勝訴を取っていますし、そのうち何人かは破産しました。

実際の手順とか費用ってどうなの?

例えば、ツイッターで名誉毀損をされた場合を想定しますね。そうなるとその個人に対して訴訟するまでに、以下の手順を踏む事になります。

  • “発信者情報開示仮処分命令申立書” を裁判所へ提出する
  • 上記が通れば、ツイッターからプロバイダ情報 (IPアドレス) 等をもらう
  • ツイッターから得た情報(IPアドレス)を元に、プロバイダを調べる
  • 対象となるプロバイダに対して “アクセスログ保存要請” と “発信者情報開示請求” をする
  • プロバイダから上記2点を貰えると、発信者(誹謗中傷者)の個人情報が入手できる
  • 発信者(誹謗中傷者)の個人情報を元に、裁判所へ訴訟を起こす

ざっくりとした流れはこんなもんです。
慣れていない人には面倒でしょうが、行政の手続きやらをやった事がある人なら見様見真似でできるレベルですね。

実際、裁判所へは3回以上行く必要があります。1回目はツイッターに対しての情報開示の時。2回目はプロバイダからの情報開示の時。3回目以上は発信者との訴訟の時、です。発信者との訴訟は長引けば長引く程、時間と予算が取られます。なので、面倒な場合には2回目のプロバイダからの情報開示で個人を特定したら、先に内容証明郵便で「お前の情報はゲットした。和解すんなら**万円で和解してやるが、拒否するなら容赦なく裁判所で対よろするんで、何回も裁判所に呼び出すからね」という感じにするのが一般的みたいです。

で、ツイッターの本社は東京なので、まあ大体が東京地方裁判所が管轄になります。地方の人が裁判の度に東京へ呼び出される事になります。これは答弁書や反論書を送るだけでも構わないのですが、実際に裁判所で口頭弁論しないと勝率は大きく下がると思っています(個人的に)。

だから大半は弁護士と契約を結び、弁護士が裁判所で答弁を行う訳です。しかし、弁護士に依頼すると大体**万円は掛かるので、ちょっとした誹謗中傷程度で弁護士に依頼するのは、余程のお金持ちか暇人で無い限り難しいと思います。だから大半は泣き寝入りになる=言ったもん勝ち、みたいな構図になる訳ですね。

特にツイッター社は元々海外にしか法人がなかったので、資格証明書…つまり相手方が存在している事を証明する際に、登記簿謄本を海外から取得しなければならず、ここでもハードルが高かったのです。当時から弁護活動していた方々はかなり手間でもあったでしょうが、儲かったとも思います。何せ資格証明書の取得代行が6万円とかしていましたから。

それが昨年、ツイッターが日本での登記を行いました。
そこから資格証明書(履歴事項全部証明証)の取得がとても容易になり、訴える為のハードルがめちゃくちゃ下がりました。

だから面白そうなのでやってみよっかなって…

履歴事項全部証明証が取得できるなら話は簡単です。仮処分申請書・管轄上申書・証拠説明書・甲*号証(投稿の証拠、画面コピー等)、そして履歴事項全部証明証を揃えて印紙貼って裁判所に送ればいいだけなのです。

こんな感じで。取得は600円、印紙が2,000円。あとは速達で510円程。これだけで “発信者情報開示仮処分命令申立” が可能です。

ここからプロバイダの情報開示も同額ほど、最後の発信者との裁判は請求金額次第ですが、少額訴訟(60万円以下の請求)であれば、最大印紙代が6,000円、予納郵券代(裁判所から相手方等に送る切手代)が5,200円(かな?)が必要です。

つまり総額2万円程で裁判自体はできてしまう訳です。

ねっ?簡単でしょ?(ボブ風に

2万円払って60万円が取れるギャンブルと考えると、(個人的には)なかなか悪くないと思います。実質そこから30%程度で勝っても18万円の支払い。相手方がもし弁護士を頼んだとしたら、相手方の金銭ダメージはそれどころじゃないと思います。まあ大体が和解になりますが。

で、勝訴したら請求する訳ですが、まーだいたい払いませんね。いわゆる「裁判で勝ったけど相手の資産が判らず取れない」というパターンです。これには色々裏技があるので記載は控えます。ちなみに勝訴して支払いが無い場合、相手方の住民票だの戸籍だの色々取れます。ちなみにこの段階で弁護士に依頼すると、”勝訴済み”なので経費が安く回収できる事もあります。

実際の所

今回の “発信者情報開示仮処分命令申立” は自分の損で終わると思っています。

ですから、今回は回収の目的というより、先にも書いた通りノウハウの構築がメインです。一度経験すると手順が判るので同じ様に困っている人にもアドバイスできますし、何より自分の防衛力が段違いにあがります。

あと別件で進めているビジネスにもちょっと利用できたりするので、その為のモルモットになってもらおうかなって感じです。

という訳で開示されたら、対戦宜しくお願い致します!
何か動きがあれば、ここに追記していきたいと思います。

あとよくいる「訴えるぞ!」なんてのは無意味ですよ。
「訴えました!」じゃないと面白くないです。

2023/04/10 東京地方裁判所から連絡有

書類の一部不備(というか記載の仕方)の修正と裁判所への出廷を求められたので、スケジュールを確定しました。事件番号も付きましたので、とりあえずは第一関門突破ですね。先は長いですが、経験の為頑張ります。

2023/04/11 Twitter が吸収合併済み?

Twitter社消滅 イーロン・マスク氏の「X社」に統合
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2304/11/news139.html
こんな話が降ってきました。Twitter社はX社に吸収合併され、もはや存在しないとありますね。そうなるとTwitter Japanがどうなっているのかな?と思って、急いで履歴事項全部証明書を取得してきました。

裁判所からの訴状はこちらに送達するらしいですが、一応法人自体はまだ残っているようです。で、履歴事項を色々と見てみたのですが、令和5年2月28日に慌ただしく色々と登記変更が行われていました。

取締役達一部を除き令和5年2月15日に解任され、令和5年2月28日に登記されて戻ってきています。新たに2名加わっていますね。元・大統領特別補佐官? ともう1名は不明。

代表取締役も同様に令和5年2月15日に解任され、令和5年2月28日に登記されて戻ってきています。勿論同名です。

2023/04/17 東京地方裁判所 第1回 出廷

4/17に出廷して裁判官と面談、意見陳述を行ってきました。また、事務員の方とも色々とお話させて頂きましたが、発信者情報開示仮処分命令申立は所定の書式さえ覚えてしまえばテンプレートの様に処理できそうです。これで今後、開示仮処分命令は簡単に出せそうですね(笑)

暇つぶしにブラウザで簡単に入力できるような仕組みを作っています。保存すればpdfになって、それをうまーくこねくり回すと裁判所へ提出!みたいな。弁護士法の問題もあって公開は”今のところ”できませんが、何かうまく役立てないかなと思っています。

次回相手方の意見が届き双方の意見を以て判決が出るかなーと思いますけれど、芳しく無ければ自分が追加で証拠を出そうかなと思っています。

2023/05/14 東京地方裁判所 第2回 出廷

日付は別日ですが出廷してきました。今回は相手方弁護士・裁判官・私での三者による陳述です。当方から提出した申立書についての相手方弁護士の見解等ですね、それを裁判官が聞いて間を取り持つ、みたいなそんな感じです。

自分は原告なので当事者なのですが、ツイッターの弁護士はあくまで第三者。
私も別に相手方弁護士には何の恨みも無いので、話は終始フランク…というかここはこうですね、ここは代理人としてこういう点が望ましい…といった事務的な印象がとても強かったです。逆にその方が楽でした。

当方からも意見を当然出し、今回の意見陳述は終了。
いくつか訂正申立書を書かなくてはいけませんが、ツイッターからの開示はどうでしょうね?少なくとも全てにおいて拒否では無く、意見陳述書の厚みを増せば通りそうな感触でした。

理由は簡単で、「記載内容の是非についてツイッターと争っている訳では無い」からです。それはIP開示した本人とやってね、というスタンスなので社会通念上、問題がある”可能性”さえ示せれば通る訳です。この場合の”可能性”はノウハウになるのでここでは書きません。

ただ、直接表現(バカとか死ね)では無い場合、例えば「お前は背が低いな」とか「コロボックルかよ」と言っただけでは開示は通りません。それを認めてしまうと、”コロボックル=差別表現” と裁判所が認定してしまう事にも成りかねないからです。同様に愛称なんかも無理です。何々呼ばわりみたいな曖昧なものは開示通りません。

それから現在のTwitter Inc.についての内状も直接色々と聞けました。早めに出した方が良い書類等の話も聞けました。
これは伏せ札としてとっておきます。

2023/05/14 余談

それからもうひとつ。隠し玉にしていても仕方ないので書いてしまいますが「指定されたどこそこへ行きます」では、まず開示通りません。理由は複数あるのですが、簡単に言うとその危険性の問題です。相手と争いをしているような状況で「お前の所へ行って危害を加えるからな!」という表現はアウトです。

しかし、「その場所へ行って話をする」のは談話かもしれないし、相談かもしれないし、議論かもしれない、善意の第三者かもしれない。よって、その表現だけでは “対象者が何をしたいのかが判らない” 訳です。こういった曖昧表現を裁判官や相手方弁護士は「全てを悪」と捉える事はありません。裁判官はフラットに物事を見ます。ここが”裁判官判らせゲー”の所以です。それまでに沢山の怒りや危害を加える等の表現をした上で”押しかける”なら、社会通念上は危害を与える可能性が高い、と判断されるでしょう。

例えば話の前後においてそれらが無い場合。あなたが”裁判官”ならどう思いますか?
・熱狂的ファンで会いたいだけかもしれない
・話をしたいだけかもしれない
・危害を加える可能性があるかもしれない
という多数の選択肢があるのであれば、「貴方に危害を加える可能性があるものを更に提示して証明してください」となります。当然ですね。

ここまでは民事の話。ここからは刑事の話です。

“あの会社は脱税している” とか “あの会社は保険無しで雇用してる”

という表現は事実の是非に関わらず著しく信用を失墜させるので、名誉毀損罪を適応される可能性があります。特にそれが事実でなかった場合。法人側にそれを証明する事が可能であれば、告訴状を受け付けてくれる可能性が高いです。特に相手方の本名等が判っている場合は、警察の照会で一発なので。ちなみに3年以下の懲役or禁固もしくは50万以下の罰金。

名誉毀損罪は親告罪なので対象の方の告訴が必要となります。
もう何度目かわからんけど、また告訴状書いてみようかなぁ…めんどくさいんだよなー。
当然ですが告訴状の通し方も知っていますし、実際にある所へお手紙出して受理させた事もあります。

2023/06/13 東京地方裁判所 第3回 出廷

先日、3回目の口頭弁論へ行ってきました。相手方の弁護士さんはいつものようにリモートから参加です。今回も色々と双方の意見を言い合いましたが、裁判官もそろそろまとめに入っていて「この点とこの点が明らかであれば双方の意見を取りまとめて、次回結審で良いでしょうか?」的な感じで15分程で終了しました。民事裁判なんて地味なもんです。

で、その際に色々と聞いたのですが、まず開示の前にTwitter Inc.側に情報が残っているか、という確認すらまだ取れていません。最近は日本の代理人が「その接続情報の有無すら確認できない」状態が続いていて、データの存在の有無の確認待ちで数ヶ月…という感じだそうです。つまり、裁判官が「開示しろ」と言っても、そもそもデータがTwitter Inc.から届かない!という結果になるかも知れません。その位、Twitter Inc.(X corp)は中の人がいないようでした。

ついでにTwitter Inc. と X corp. ですが、これどっちになるの?という話。これは敢えて書きません。
それを見て「俺はお前を開示してるぜ!」と言う感じで、いかにも内状を知っているかの様に振る舞う不届きなものがいるからです。直接やっていれば、内状がどうなっているかなんて誰でも判りますからね。

さて、次回の審理でどうなるか?!楽しみです。

2023/06/23 東京地方裁判所 第4回 出廷

先日、4回目の口頭弁論へ行ってきました。前回、こちらからの回答書をお送りしたのですが、その中の回答の1点について多少のツッコミが入りました。元の投稿内容を考慮した場合、この回答では不十分でないか、という点です。そちらについて、現地にて当方から説明をし裁判官と相手方弁護士で、それぞれ疎明を致しました。

最終的には「これとこの資料があれば、Twitterとしてはもう申し上げることは無いので」という回答を頂くまでに至りました。長かった…その2点の資料は即用意できるものでした。裁判官的にも、次回結審でというカタチで綺麗にまとまるのでは無いかと思います。

今回時間が掛かったのは最初にも書いた通りなのですが、「直接的な誹謗中傷では無い」事です。直接的な誹謗中傷は有無を言わさず、基本的にすんなり開示されます。但し、この「誹謗中傷」もバカだのアホだのといった程度では、まず開示は通りません。

どちらも知らない第三者から見て、確実に危害を伴うレベルの誹謗中傷である

が基準です。自●しろ、とか●すぞ!というものは当然一発アウトです。他にも社会通念上、その表現は差別的だろうものも比較的開示されやすいです。その投稿では誹謗中傷と捉える事ができない、長々と説明を伴うようなものは誹謗中傷にはなりません。ただのこじつけに見えてしまうからです。

例えば、「お前は背が低いな」という表現はどうでしょうか。本人にしてみれば、コンプレックスを刺激されたので誹謗中傷だと言いたくなるでしょう。しかし、どちらも知らない第三者から見れば、それはただの事実の指摘にしかなりません

他にも「ハゲって嫌いなんだよねー」という発言があったとしますね。
別の人がそれを見て
「こいつとは数週間前に話しをした、その時に俺の方をよく見ていた!だから、この発言は俺への誹謗中傷だ!!」
といいました。これはどうでしょうか。

これは誹謗中傷になりません。そもそも、先の投稿との関連性の証明ができません。話に連続性が無いからです。
たまたまその数週間に別のハゲに嫌な思いをさせられたのかも知れません。会って話をした証明はできますが、その間に他のハゲに会わなかった事の証明はできません。悪魔の証明になるからです。

他には、事実の指摘。これは、誹謗中傷にはなります。
「貴方の親は麻薬で逮捕されたから、貴方もそんな杜撰な仕事しかできないんだ」
という感じです。仕事で失敗して杜撰な仕事をしたのは事実、親が麻薬で逮捕された事も事実だと仮定しますね。

しかし、この事実の指摘は、当人にとってはどうしようもない事が含まれています。麻薬で逮捕された事=杜撰な仕事しかできない、では無いのです。余りにも関係ない事に対して関係があるかのように装い因果を付けて言う事は、事実の指摘であっても誹謗中傷となる可能性は高いです。

今回、自分が何度も審理を重ねるハメになったのが、まさにここで「誹謗中傷や名誉毀損に当たるか否か」という点でした。様々な資料を用意して、まずは投稿内容が事実の指摘では無く誤りである事(別の真実)を証明し、その上でその事実では無かった指摘の発言が社会通念上、誹謗中傷となるかどうか。
ここを疎明するのがとても大変でした。開示は簡単にほいほい通るものでは無いのです。

さて、次回の審理で結審するか?!とても楽しみです。

2023/07/01 東京地方裁判所 第5回 出廷

先日、5回目の口頭弁論へ行ってきました。

前回、相手方弁護士の指摘の際に「これとこれが疎明されれば、こちらとしては反論する事はありません」という言質を頂いていたので、その資料を提出させて頂きました。結果は……裁判官より「今回で結審と致します」という言葉を頂き、無事に裁判所判断までこぎつけました!!!やったね!

その翌々日、東京地方裁判所 民事第9部 発令係より入電があり、「発令する事になりましたので、以下の書類を送ってください」という旨の連絡を頂きました。

  • 当事者目録
  • 発信者情報目録
  • 対象アカウント目録
  • 1,099円切手 * 2
  • 宛名シール

ここまで来て、やっと発令が出たので後はツイッター(X Corp)の開示を待ちたいと思います。保全情報確認は、審理前に始めているので既に2ヶ月待っていますが

今だにIPが保持されているかどうかの確認すら取れていません。

まぁ、待ち行列に並んでるだけですしね…発信者情報開示、いわゆる発チなんてこんなもんです。。
ここから先は難易度が跳ね上がり、保証金等で二桁万円がバンバン飛び交います。さて、どうなる事やら…ですね。

2023/07/01 余談

今回、とても嬉しいなと思ったのが、この件は最初に弁護士へ持っていって相談をしています。

実はその際に「う~ん、これは開示命令出るかは極めて微妙ですね…」と言われているんです。

誹謗中傷・名誉毀損の裁判ってとても難しいのは前述の余談で書いた通り、なのですが私が起した裁判はそこがとても曖昧というか微妙でした。他のドストレートな開示は書く程の価値すら無いので書かなかったのですが、こちらは記録に残すべきだろうなと思ったから書いています。

例をあげると、「お前の店の蕎麦は国産のそば粉を使ってないんじゃないか?」くらいのふわっとしたものでした。さあ、これが名誉毀損や信用毀損になるか、という話です。

これを誹謗中傷というのは無理があると思います。だから焦点にしたのは、信用毀損の方でした。事実を元にした発言では無いので、これを第三者が見たら「えっ、あそこ国産のそば粉じゃないの?じゃあ行くのやめよう」という風になるんじゃないか?という事をひたすら疎明していったのです。

相手方弁護士は「国産かどうかの事実を指摘した訳じゃなく、疑問形ですよね?これはただの意見であるから、信用の毀損までは行かないのではないか。」という感じの反論をしました。

よって、そば粉の仕入先とその仕入先がちゃんと国産のそば粉を使っている疎明。その納品書。それを使った調理をしている事実の指摘、お店ではちゃんと「国産そば粉使用」と掲示して謳っている事実。そういった事を淡々と証明する、裁判官判らせゲーをやった訳です。

結果、「確かにこの書き込みを見て、“国産じゃないと思い込む人”がいたら、それは事実では無いので信用が毀損されるよね。更にそれを真に受けて、じゃあ行くのやめようかと思う人がいたら実害も出るよね」という結論になった訳です。

勿論話は違うし大幅に色々と端折っています。ただこういう理論判らせゲーはとても好きですし、どういう事実があればどういう認定になるのか、という点や弁護士が「ここが疎明されていないから受けられない」と指摘してくれるので、その証明を自分で集めて切り崩す。ディベートの上位版みたいな感覚を受けました。

という訳で、書類の書き方すら判らなかった素人の
「発信者情報開示仮処分命令申立」無事発令されました!

これでこのコンテンツは一旦クローズかな…どうしようかな。。考えます(笑)

2023/07/06 裁判所から命令が出ました

Twitterの相手方代理人弁護士にも通知が届きましたという連絡がありました。(こちらへの通知は郵便局に不在中)
債務者代理人との直通の窓口もできたので、”情報保有の有無を確認の上、情報保有の確認が取れた場合には” 連絡されるようです。

ちなみにこの情報保有の確認、実は第1回の時点で既に開始しています。裁判官も相手方弁護士もIP開示には時間が掛かる事を4月の時点で知っていたので、前もって “情報保有の有無” だけは先に行って頂いています。つまりどういう事かというと、3ヶ月経っても未だに

“情報保有の有無” すら X Corp. から返事がない

という訳ですね。プロバイダーによってはログ保有期間は3ヶ月、だいたい6ヶ月程度で消えます。
もう、時間切れになりそうな気がしますね。。

余談ですが、SNS界隈で1人で何百件と開示している人がいるらしいという事を聞きました。

これもほぼ時間切れになりそうですね。

電話した時に、「自分の開示はこういうので遅れたりしませんか?」と聞いてみましたが、なるべくそういう事は無いように努力しますとの事でした。
上の件は、事務所へ問い合わせが殺到していて対応を検討している “そう” です。

2023/07/12 仮処分決定 通知を受け取りました

通知が届きましたので、必要な部分はマスクをして公開します。一部にモザイクを掛けたのは、

これをモチーフにして示談を迫る不届き者が出るとも限らない

ので、ここの文面は意図的にモザイクしています。

所詮はただの通知なんで感慨はそれほど無いのですが、最初は弁護士に相談して「仮処分はかなり難しい」と言われた投稿内容を、相手方弁護士に対して、自分が用意した法的根拠で何とか裁判官に認めて頂いた事は、素直に嬉しいですね。(直接的な誹謗中傷は1回で開示クリアしたので、ネタにする気すら起こらなかった)

ま、まだIP開示の待ち行列に並んだだけですけれど(笑)
とは言え、法律素人でも根気を持ってやれば何とかなるもんなんだね!という実績と自信になったのは良い経験でした。

ただ本気の場合は即、弁護士へ依賴します

というか、既に依賴しています。

弁護士を使えない、と弁護士を使わないは天と地の差がありますからね。
これはあくまで “最悪負けてもいいから損しても経験の為にやる” でしたので本人訴訟を選択しました。実害が出ていたり、刑事告訴も視野に入っているものは、当然プロ中のプロに頼みます。経験値も雲泥の差がありますし、素人には使えない技も沢山持っていますから。

もし、これを読んで裁判をしてみようと思いたったのであれば「負けたくないならプロに頼め」と強く言いたいと思います。訴えられそうな場合も同様です。

負けたくないならプロに頼め

裁判所に月3回とか行くんですよ?平日に。その合間に回答書や資料用意するんです。
社会人じゃ無理ですって。私からのアドバイスでした。(まだ続くのかなぁ…IP届いたら報告かしらね)

2023/07/29 開示されました

複数件申立をしていた内の一つが漸く開示されました。

掛かった期間は、ほぼ5ヶ月。ここから最速でプロバイダ開示を求めていく事になります。ただ、正直もうこれほぼ時間切れだと思っています。(恐らくプロバイダが3ヶ月で消す所)

> 今回の “発信者情報開示仮処分命令申立” は自分の損で終わると思っています。
最初に書いた伏線をこんな所で回収する羽目になるとは。。


プロバイダのログは大体、半年と言われています。ログの保管も非常にコストが掛かる為、弱小プロバイダでは3ヶ月。大手だと1年という感じで保管されてます。
自分はインフラ側の人間なので、だいたいどこがどのくらい保持しているかという情報を知ってはいますが……この開示はちょっとハズレっぽいですね。。とりあえず頑張っては見ますが、ちょっと絶望かなと思っています。うーん。

しかし、2~3月に掛けて開示掛けて7ヶ月ですよ。。たぶん今から開示請求しても、もうX Corp.から届くのは相当先になるんじゃないかと予想します。
本国X Corp.と弁護士の関係も色々とお話を聞きましたが、改善している点・悪化した点があり、詳細はお話できませんが、これから開示するのは大変だろうなと思います。特に個人でやっていくのは厳しくなるんじゃないかと。

捜査機関等の開示が最優先になり、次が士業相手、最後が個人、みたいな感じになる気がしますよ。。雰囲気ですが。