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モビリタに参加してきました

  • Car, Review

トヨタ 交通安全センター モビリタ

こちらに参加してきました!
免許を取って2年目の当時、モビリタの前身となる「Toyota Driving Communication」に参加した事がありました。当時、プロのレーサーによるほぼマンツーマンの授業に凄く感激した記憶があります。

と、いうわけでモビリタに参加してきました。

集合時刻は朝9:00。ここから、夕方17:00まで一日ドライビングスクール漬けになります。昔はほったて小屋みたいなところとジムカーナ場でしたが、モビリタになってからは非常に綺麗な建物と、だだっぴろいコースに加えてスキッドパッドコース(雪道のような低μ路コース)ができていました。

施設紹介

さて。現地についてオリエンテーション(説明)が終わり、早速実地講習が始まりました。講習を受けるための車両はマークX 250Gです。電子制御バリバリの車ですが、講習に利用するためスイッチで電子制御をフルカットできるようになっています。車両は全部で10台程、参加者は20数名程度です。だいたい2人に1人のインストラクター(プロレーサー)がつく事になります。コースはほぼ全面ウエットになっています。スプリンクラーや散水車をフル稼働させて、低μ路を作っていました。

モビリタ その一

まず、結論から申し上げると、自分の中にあった自信やアイデンティティが木っ端微塵に破壊されました。自分ってこんなに運転が下手だったんだ・・・と。レースに出たり色々な講習会を経て、それでもこの程度の腕しかなかったんだ・・・と。これについてはまた、後述します。

最初は、ブレーキトレーニングからスタートです。最初はABS・TCS等の電子制御フル稼動によるブレーキです。時速100km/hまで加速し、そこからフルブレーキングします。ABSの効果を体感する・・・との事でしたが、普段からスポーツABSをバリバリに(死語)使っているので、特に驚きはありません。
次に電子制御フルカットで同様にブレーキを体感します。低μ路なので、いとも簡単にロックするのですが、ロック解除して短い距離で止める・・・という訓練です。

私は、ABS無しの色々な競技車も経験があるのでロック解除自体はできるのですが・・・その後のブレーキの踏み込みが甘い、と指摘を受けました。最初にロックするまでは踏めているのはok、解除した後にもっとブレーキが使えるのにも関わらず、それを使えていないので停止するまでの距離が長くなってしまう、との事でした。理由は簡単な事で、最初にロックした位置までしかブレーキを踏んでいないのです。最初に8割踏んでロックしたら、次は9踏む事ができます。これはなぜでしょう?

理由は簡単で、車速が落ちている+最初のブレーキで前に荷重が乗っているからです。そういった条件が揃うので、最初にロックした時よりもっと強くブレーキを踏む事ができます。それをロックした時と同じ程度しか踏めない・・・という事は、もっと手前で停止する事ができるのにも関わらず、ブレーキをフルで使えないという事になります。

正直、これはショックでした。自分はブレーキが得意だと思っていたので、まずはその自信が根底から破壊されました。「悪くないよ、普通よりうまいと思いますよ」というフォローがあったものの、ブルーです。この後、旋回ブレーキというのもやりました。

次は、スライドコントロールです。低μ路の周回コースがあり、ここをひたすらぐるぐるします。低μ路なので、オーバースピードで進入すれば、勿論オーバーなりアンダーな挙動が現れます。これをアクセルコントロールで曲げたり、止めたりするわけです。インストラクターに「普段から難しい車乗ってるんだから、これくらいは余裕だよね!」とプレッシャーをかけられつつ、スタート。

・・・とにかくスピンしまくりました。簡単に言うと、4回目くらい振ったところで、おつりをもらってスピンってパターンが多かったです。S字がやたら多いコースなので常にどっちかに振られるわけなのですが、何度もリアを振っていると、段々と振る速度が加速していきスピン・・・という感じです。とにかく低μ路なので、急な動作やラフなアクセルはスピンを誘発します。プロの走行はさすがに凄い!の一言でほぼ全コーナを流したまま抜けていました。自分は2/3くらいつなげると、どっかにすっとぶという感じです。それでも、最終的にはそこそこ安定して走れるようにはなりました。勿論、全部ドリフトでつなぐ事はできませんでした(ちょっとした直線でドリフトが止まってしまう)が、アクセルコントロールの幅が大幅に上がったと思いました。

ここで昼食、コーヒーブレイク。話は前後するのですが、自分が走らないで観戦している時にはインストラクターと雑談をしていました。これがまた面白くて、雑誌なんかでは絶対載せられないといったレースの裏話なんかを聞く事ができました。

午後は座学とスペシャルゲスト同乗走行からスタートしました。レーサーが低μ路をどのように走るのか、ウエット路面ではどう走るのかといった事を体感できます。座学は、知識だけなので割愛。。というより、自分は元々知っていた理論なので、それを確認するだけに留まりました。

次に、コーナーリングセオリー。私はコレを一押しします。というより、これだけ一日中やっていたいと思いました。 フラットコース上に設定したオーバルコースを周回します。・・・これだけだと、「なんだ。ただ、ぐるぐる回るだけか」と思うのですが、これが大間違い。オーバルと言っても、200m程度の直線 -> Rのきついコーナー -> 200m程度の直線 -> Rのきついコーナー という感じになっていて、直線ではアクセル全開する事を余儀なくされます。しかも全面ウエットです。

モビリタ その2

コーナーへの進入速度をどんどん上げるように指示されるのですが、濡れた路面のため簡単にロックします。ロックを解除しつつ、うまく荷重を使っていかないと曲がる事ができません。しかも、いかにアクセルを早く全開する事ができるのか考えて走らなくてはいけないので、非常に大変でした。しかも、コーナーを抜けるたびに、インストラクターから「今はここでこういう操作をしたから、こうなったので結果こうなった」という感じで、悪かった点がどんどん指摘されます。短い直線で、それを聞きながら次のコーナーへのアプローチの仕方を変えて・・・とやり続けるわけです。

しかも、ホールド性のよくないマークXのシートです。全力で踏ん張らないと体が動いてしまい、的確なコーナリング操作が行えないというオマケ付。勿論、電子制御が使えればそれでも余裕なんでしょうが、言うに及ばずカットされています。

これも結論から先に言うと、5回に1回くらいのアプローチは満点をもらう事ができました。荷重をうまく使えた時にコーナリングって、ものすごいグリップするんです。マークXについてたタイヤは、TOYO PROXES という正直(失礼)お世辞にもグリップの高いタイヤではありません。それが、自分の予想より遥かに高い進入速度にも耐えていました。ブレーキを残して進入するとよく言われますが、この本当の意味とそれをうまく体験する機会は早々無いと思います。

私の場合、ブレーキ->進入は良いと言われましたが、その後のブレーキの抜き方とアクセルの開け方を指摘されました。「アクセルを開けたかどうかわからないようにしてごらん」という指示をよく受けました。このへんは言葉では表現しにくいので、あえて割愛させていただきます。こういう事を何度も繰り返すと、「自分も含めて、殆どの人ってタイヤの持つグリップの3割くらいしか使っていないんじゃないだろうか・・・」と思います。最終的に、ブレーキングポイントやターニングポイントは予想より10m程度も奥に進み、進入速度も20km/h程度はあがっていました。

最後はちょっとしたジムカーナコースでタイムアタックをして、一日の講習は終了となりました。

今まで、少しずつ乗れるようになってきて、自分がどれ程の天狗になっていたかというのを思い知った一日でした。インストラクターも自分も行う操作に違いはありません。ただ、その精度が恐ろしい程に違うのがよくわかりました。コーナーリングセオリーでは、たまに進入でロックしてアンダーを出したり脱出時にアクセルが踏めなかったり・・・という自分に対し、ほぼ毎回同じようなコーナーリングを繰り返すインストラクター。たったこれだけの違い、ですが・・・それがコンマ一秒という世界では大きく影響するわけです。

今回教えていただいた事をどれだけ生かせるかはわかりません。正直、1/5も理解できているかどうか・・・。それでも、反復して何度も練習する事で、少しずつ身についていけば良いなと思いました。来週のレース、頑張ります。

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