最近はレビューが多かったので久しぶりのDIYネタです。
皆さんは、逆浸透膜浄水器ってご存知ですか?ちょっと思いつかないなーって方。よくスーパーに行くとボトルを買えば無料で貰える水ってありませんか?都内だとサミットで「美し水」という浄水器が置いてあります。ここにボトルを入れると出てくる水、これが逆浸透膜浄水器ってヤツです。一言で言うとものすげぇ浄水器ですね。何重にもフィルターを重ねて、水から色々な物質を取り除くんです。最新のものでは放射能も取り除くとか。
で、この逆浸透膜浄水器。アメリカでは極々一般家庭につけてあります。州ごとに質がバラバラなのと、そもそもの配管が老朽化しているせいで品質が安定しないようなのです。それで家庭につける浄水器タイプのものが流行っています。日本ではウオーターサーバーサービスが一般的ですが、これば国土が広くないのでできる事です。アメリカの国土はめちゃくちゃ広いので、ボトルをいちいち田舎まで運んでられない訳ですね。これも普及に一役買っています。
さて、この逆浸透膜浄水器。ちょっと日本のアマゾンで調べると…かなりお高い。
本体が5万~8万、取付費用はまちまちですが大体3万から10万位が相場だそうです。専門に扱っている業者をググってみてください。工事費込みで20万~30万はザラです。これ自体は否定しません。商売なので儲けなくてはいけませんし、サポートや取り付けの技術料を考えたら妥当、とは言わなくても許容範囲だと思います。ただ、おいそれと庶民が手を出せる価格で無い事も事実です。
ではアメリカはどうでしょうか?
171.83ドル(2018/07/12 19,233円) で、1年交換用フィルタ付きセットでこの値段!このキットを買うと大抵の自宅でそのままポン付けできる仕様です。これは買うしか無い!という訳で、友人も別の商品を同時に海外から買ったので日本へまとめて送りました。送料は総額2万程(内、様々な自分の買い物も追加して商品6点で1万円、友人の物が1万円)でした。実質2.5万程度でゲットできてしまったのです。
メーカーは色々あったのですが、Express Water を選びました。有名なのは iSpring だったのですが、Express Water はものすごくしっかりとした公式サイトがあったので、こちらを選択。ただぱっと見、どっちも同じような物に見えます。フィルタの追加で色々な物質を除去するのですが、自分は一番ベーシックな物(5 STAGE)を選びました。鉛、塩素、フッ化物、硝酸塩、カルシウム、ヒ素、バクテリアなどを99.99%まで除去できて、純水にかなり近いものが得られます。
届いた時にはとても大きな箱なので驚きましたが、これは4ガロン(15L)タンクがついて来るからです。浄水器に何故タンクが?と思われますよね。自分も知りませんでした。逆浸透膜浄水器って、実は物凄く浄水速度が遅いんです。だいたい100ccで1分程掛かります。なのでタンクに貯めておかないと一瞬で枯渇して使い物になりません。タンクの中にゴム風船のようなものが入っていて、そこに浄水がどんどん貯まります。するとその力でタンク内の気圧が高まります。蛇口をひねると、その圧力で浄水が出てくる訳です。電気も使わないので合理的ですね。
更に捨て水という物が発生します。これもだいたい浄水1Lに対して3~4Lが捨てられます。これがあるお陰でフィルターが長持ちし、雑菌を繁殖させない様にしているとの事。ちなみに東京では1L辺り平均0.24円だそうで、1Lの浄水を作る為に4L使ったとしても1円です。ミネラルウォーターを買うと思えば、めちゃくちゃ安いです。
さて、前置きが長くなりましたが、ざっくり取り付け方法を説明します。まず本体を壁に取り付けて、図の通りに色分けされたチューブを繋ぐ。最後にタンクと蛇口へチューブを繋いで完成(笑) ホントこれだけです。日曜大工に慣れた人なら2時間もあれば付けられるでしょう。だから工事費が3~6万位なら納得なのです。時間辺り1万で2時間、それに技術料が乗る訳です。特に水は漏れると自分だけじゃなく地面や階下に甚大な被害を蒙ります。自信が無ければプロに頼むべきだと、私は思います。よって、この記事を読んで取り付けを試して失敗しても、私は全く責任をとりませんのであしからず。プロへの支払いは安心と保険を買うものだと認識しましょう。まずは説明書から抜粋。本当にチューブは色分けされているので、この通りに繋いでいくだけです。私は線を繋いだら、この図にチェックをつけて作業完了を記録して間違いが無いようにしました。1から2の部分は自信があればカットして構いません。これは水漏れの際に自動でカットしてくれる装置です。仕組みは簡単で、中にスポンジが入っています。水に浸ると膨らんでスイッチを押し上げてカットするだけです。
チューブの取り付け方法です。奥まで(2cm位)ぶっ刺すだけ。そうしたらチューブの周りにある突起を引き出して、青いロックを差し込みます。図の上から三番目ですね。これだけで抜けなくなるし漏れないのだから大したものです。
1の配管を割り込ませる部分です。水とお湯のラインの内、水の方に挿してねって事だけです。ネジピッチは日本とアメリカで違わないはずですが、家庭環境によっては変わってる部分なので適宜対応しましょう。
こんな感じで割り込ませました。青いロックパーツがついたまま出荷されてくるので、チューブをつける時は一時的に引っこ抜きます。ちなみに無くしても予備は売る程ついてきます。
自分は流しの下にある大きな引きだりの右隣、小さな引き出しの右側の壁へ仮固定しました。(中で繋がっていた) 上のフィルター交換でも余裕があります。壁に2箇所ネジ止めして引っ掛けるだけ。引き出しも使えるようにギリギリの位置を攻めました。
それでもフィルターはギリギリ掛かってしまったので潔くカット。
本当にミリ単位で調整します。
この引き出しにはお米ケースが入っていたのですが、ギリギリ干渉しないでそのまま利用できます。水が綺麗になっても不便になってしまっては本末転倒ですからね。ちなみにコレです。5kgの袋がそのまま入れられて超楽ちん
タンクを仮置きしてみます。意外と大きくて壁と干渉しそうです。勿論この引き出しの天板とはモロに干渉するのでばっさりカットしました。
カットしたのがこちら。少しでも引き出しを使いたいので加工してスペースをひねり出します。
そうしたら、今度は壁に仮固定したフィルター一式を取り外して配管の取り付けをします。基本的に説明書を見れば迷うことは無いと思います。
正面右側に下向きの配管を取り付け。ネジになっているのでぐるぐる回してはめ込むだけ。但しここは水漏れが怖いので、シールテープを巻きます。3周程巻けば大丈夫でしょう。
フィルターは一時的に外した状態にしています(作業が楽なので) 各フィルター間は最初から接続済みなので何もする事はありません。
こちらが出口側。入り口同様にシールテープを巻いて説明書通りに上向きにして取り付けします。
チューブを差し込んで固定した所。ここから上部についた2つのフィルターへ行きます。
この配管分岐とチューブ部分は最初から固定されていました。念の為チューブがしっかりと固定されているか、抜けないか確認します。
次はタンクの配管です。送られてきた時は、このネジ部分を保護する為に土台が被せられています。これを外すとネジがでてきます。このネジにもシールテープを巻きます。ここはしっかりと巻いてください。結構な水圧が掛かるようで、自分は最初ここから少し漏れました。シールテープを6巻から7巻くらいすると良いと思います。
タンクの下にある青いキャップは内圧調整用なのでいじらないようにしましょう。開けてもいい事ありません。
水漏れリーク防止パーツを取り付けます。赤チューブは水道から分岐した部分と接続します。フタを開けた所に、水で膨らむ何かの素材?を入れます。入れたら閉めて完了。 (上の写真は水が流れない状態)
次に青いチューブを差し込みます。ここから浄水器のIN側へ接続します。(上の写真は水が流れる状態)
リーク防止パーツからIN側へ接続。上の黒い所は捨て水用の黒チューブ用です。防護用に何かのパーツが刺さっています。こういう箇所が何箇所がありますが、不要なのでチューブをつける際には取り外します。
蛇口側です。ネジ状の筒の中を浄水が通ります。ちょっとわかりにくいですが、パーツの順番はこんな感じです。黒いゴムより上が流し台の方、ゴムから下は天板の裏側へ取り付ける方になります。
ネジ状の筒の下につけるチューブ。ナットをチューブに入れたら、先端に漏れ防止のパーツを取り付けます。
最上部のフィルター(カーボンフィルター)のOUTから、蛇口行きのチューブを取り付けておきます。蛇口側は、まだ流しに固定していないので後ほど。
先程蓋のしてあった所に黒チューブを差し込みます。これの行き先が捨て水なので排水管へ繋ぎます。で、この捨て水配管がとても迷いました。図を見るとアレはダメ、これはダメみたいに書かれています。でも海外みたいに流しが複数ある家なんてそうそうねーよ、と思いました。更にOKとなっている場所、S字トラップの前ならいいよーって書かれているんですが、日本だと流しからS字トラップまでの距離ってめちゃくちゃ短いんです。逆流する可能性は低いものの匂いブロックの為、S字トラップの近くには色々と沈殿物が溜まる事があります。更に水が流れず貯まってチューブが詰まったらと考えたら、これは避けたい…
結局ココにしました。S字トラップの先、縦配管のギリギリの所です。黒チューブからは常に排水される為、匂いが上がって来る事はありません。この部分に水が溜まる事は無いので排水の邪魔にもならないはずです。更に、ここは水圧が掛かる場所では無いので、そこまでシビアに取り付けしなくても大丈夫です。水漏れもまず起きないと思います。ゴミが通る可能性はありますが、それは定期的なパイプクリーナーで対応しようと思います。ピーピースルーはマジでオススメです。ちなみにもっと強力なピーピースルーも売られています。
そうしたら流し台を加工しましょう。基本的には1cm位の穴あけするだけです。
穴が空きました。ここに蛇口のネジ部分を突っ込んで、裏から挟み込んで取り付けるだけです。水回りなので、念の為ここはシールテープと錆止めを塗っておきました。(蛇口の取り付けの写真を忘れた…結構奥なので手を伸ばしながらやってたら忘れました)
チューブを通す為、一度フィルターを全て取り外して引き出しも外しておきます。
チューブをまとめていきます。
タンク行きのチューブ(黄色)を取り付け。これがキモになります。ここは結構水圧が掛かる場所なので慎重に取り付けていきます。
チューブをタイラップ(インシュロック)で固定して、地震やちょっとした時に引っかからないようにまとめていきます。ここで、ん?と思った方は正解。一部のチューブを入替えています。理由は長さ的な問題です。最初についてくるチューブはどうやら近場に取り付けする前提で長さが決められているので、この様に取付するとマニュアル通りの色でつなげていくと足りなくなりました。よって一部入替えしています。ちなみにチューブの厚みはどれも同じだったので、どのチューブでも同等の水圧に耐えられるはずです。現に入替えても漏れはありませんでした。最後に蛇口のネジにチューブを差し込んでナットを締め上げます。これでフィルターとチューブが繋がりました。
6,7重巻きしたネジにパーツをつけて、そこにチューブを取り付けします。ここはかなり水圧が掛かります。チューブ側というより、タンクと配管パーツの間から漏れが発生します。水が貯まってくると、そこそこの圧力になるので、水が入った状態で黄色のチューブを外すのは止めましょう。私のように水浸しになります。(少量で良かった…)
全てのチューブが正常につながっている事を確認したら、元栓(大本の赤いダイヤル)を捻って栓を開けて水を通します。水漏れリーク防止パーツもちゃんと閉じている(下になっている)事を確認してください。漏れがあったら、即赤い元栓を閉じて水漏れリーク防止パーツを開けます(上になっている)。
自分は馴染ませたかった&念の為洗浄したかったので、最初はタンクに黄色のチューブを接続しないで、2L程流しました。その後で、タンクに繋いで貯めた所で全て放水してタンク内も洗浄しています。次の日にはタンクも満水になり、いつでも逆浸透膜の浄水が飲める環境ができました。
ね?簡単でしょ?(決め台詞) 難易度は高くないし、ちょっとめんどくさいだけなのでトライしてみても良いかも知れません。ただくれぐれも、漏水にはご注意を!!!私は何があっても知りませんよ!!! あと、所詮素人工事なので、専門業の方にはツッコミどころ満載だと思いますが、DIYは楽しんで失敗しながらやるのが楽しいのです。よって余程の間違いで無い限りほっときます。