タイトルの通りです
誰にも教えたく無いのに話さずにはいられない。そんな葛藤を思いながら、この宿泊記を書いています。事の始まりは自分達の予定でした。京都で仕事をして、さくっと帰るつもりが急にプラス2日する事になりまして。
その日の夜は長いお付き合いの地元のお友達と京都寿司を食べに行った際の事です。
私「いやー、急に2日泊まる事になって、今日から宿無しですわ(笑)」
友1「マジで? そんならウチのホテル泊まってって」
私「え?」
友1「んじゃちょっとマネージャーに確認するわ」
↓
友1「おっけー、2日取ったから遠慮なくどうぞー」
私「いや、ちょっと早すぎません?? というかそんなご迷惑掛けられないです」
友2「まー、別にいいんじゃない? ***君(友1の友達)も泊まってるし」
友1「あー、駐車場もか。そっちも確保しとくわ」
みたいな流れでいきなり泊まるホテルができまして。
その時は、泊まるんだから何か記事にして少しでも知ってもらおかな、程度に軽く考えていました。
到着したホテルは HOTEL MUSO | 京都 ホテル ムソウ です。( ご予約はこちらからどうぞ )
想像を絶する部屋…
何ですか…この高級そうな入り口は……
ちなみにフロントには誰もいませんでした。フロント自体は 10:00 – 19:00 で、それ以外の時は電話をすると担当者に繋がるというシステムでした。
それじゃどうやってホテルのチェックインするの?となりますよね。
こんな感じで入館の方法が送られてきます。
つまり誰に会う事もなくチェックインができる訳です。ちなみに一番右は朝食用チケットです(後述)
このチェックイン方式を始めたのは、恐らくコロナ禍でしょう。この様なご時世になったのでどうすれば感染予防になるかという事を考えて洗練されたシステムを構築したのだと思います。たぶん。
とは言え、自分のようなコミュ障にはたまらなく良いシステムです。
えっ、なにこれすごい (語彙力低下)
急いで オフィシャルサイト を確認したところ、プレミアスイートツイン 展望ジャグジー というお部屋でした。。客室面積59㎡。最大宿泊人数4名という堂々たる部屋…
ぶっちゃけ…「自分、どこにいればいいんだろう…」と思いました。。それくらい広いです。特に奥の畳の部屋。座禅を組むにはとても良いと思いますが、そういう趣味は無いので…それはともかく。
まず全体的にとてつもなく趣味が良いという事を挙げたいと思います。
色調は京都らしく白と黒のモノトーンがベースです。そこにふんだんと木と畳のナチュラルカラーを入れています。家具やその他は全て白で統一という拘りっぷり。電子レンジですら白のバルミューダ製 という徹底しています。他にも電子鍋やら電子ポット等、様々なものが用意されていますが、全て戸棚の中でした。そのおかげで、無駄がなく洗練されたシンプルな佇まいになっています。
特にシステムキッチンが良いですね。おしゃれなワイングラスが2つ。ただ、それだけなのでごちゃごちゃした感じは一切ありません。アイランドキッチン兼カウンターには、カウンターバーのような椅子が2脚。そして隅にはコーヒーメーカーとスターバックス製のカプセルが4つ、そして海外の硬水のボトルが2つ。これでコーヒーを煎れなさいといわんばかり。いやはや凄く徹底したデザインです。システムキッチンは北欧風でしたが、これが白を基調とした大理石を使っているので、色味が障子と同じなのです。だから、和風と北欧風が見事に調和しています。システムキッチンだけ雰囲気違うよねー、みたいな感じが無いのも素晴らしいですね。
そしてびっくりしたのがミニ・バー。冷蔵庫に入っている飲み物はアルコールも含めて全て飲み放題のフリードリンクです。。えっ? って思いますが、コレ本当です。自分は先日、HOTEL THE MITSUI KYOTO や リッツ・カールトン大阪 へ宿泊しましたけれど、星5のホテルですらミニ・バーのドリンクは全て有料(しかもクソ高い)です。アルコールは複数の種類があり、地元京都のお酒もありました。
こちらが洗面所とジャグジーバス。こちらは和風というより北欧モダンですね。洗面所で蛇口が2箇所あるホテルは初めて見たかも知れません…朝とか二人で泊まると洗面所が混んだりするのですが、そういった心配は一切無し。ジャグジーバスも二人でのんびり入れるように頭置きも二箇所。
シャワーも2タイプが装備されていて、天井から落ちる滝タイプと一般的なシャワーヘッド。ウッドカーテンを開ければ京都の街並みが見えます。んーーーーー、たまらんですね。
ここまで拘っているのであれば、アメニティも当然抜かりなし。
Maison Margiela バスアメニティ(シャンプー・コンディショナー・ボディソープ・石鹸)
カミソリ・ボディタオル・ヘアブラシ・シャワーキャップ・ヘアゴム・歯ブラシ(歯磨き粉付)・綿棒・コットン・スリッパ・バスタオル・フェイスタオル
高級ホテルにありそうなアメニティ一式全て揃っています。ちなみにドライヤーはダイソンドライヤーと、もう1つの計2つ。本当に二人で同時利用しても全くぶつからないように設計されています。
注目すべきはバスアメニティ。メゾン マルジェラが提供するシャンプー・コンディショナー・ボディソープ・石鹸…よくヒルトン系列で利用しているタイプですね。メ●カリ辺りで検索すると、まぁ出るわ出るわ…ああ、持ち帰ってきたのね…と言わんばかりに高い値段がついています。メル●リだと、だいたいフルセットで1,000円程度です。もちろんホテルですし大量に仕入れる事で値段を下げていると思いますが、ただのアメニティにブランドモノですよ。テンションが下がる訳ないじゃないですか!!!
ちなみに匂いは最高です。高級ホテルのロビーでよく利用している匂い…と言えば想像ができるでしょうか。髪を洗うと、その匂いが自分の髪からする訳です。何か人生のランクがひとつ上がったような錯覚を覚えます。
トイレにすら 和 を感じるのは私だけでしょうか…当然最新型のタンクレスタイプです。蓋も自動開閉します。
朝食ですら抜かりなし
朝食はバイキングだろう…と思っていたのですが、よくよく考えると食堂はありませんでした。じゃあどこで?と思ったら、時間指定で屋上で提供していました。別の部屋で泊まっているカップルがいましたが、それを横目に朝食チケットを出すとその場で作ってくれます。
とても残念だったのが、ここがクソ暑い事!!
まぁ京都ですしね…盆地ですしね…この日、気温37℃とか言ってましたしね…
という訳で、どうしようか迷っていたらスタッフさんが「あ、暑いですよね。お部屋までお持ちしますよ」と。どこまでもサービスが行き届いているんだよ!!!と思いつつ、ありがたく部屋で待ちました。
何と朝食は、あんバターサンド!!
これ…全部食べられるかな…あんこ甘いだろうしな…と思っていたのですが。先に行ってしまうとあっさり食い切りました(笑)
まず餡の甘さが絶妙です。甘すぎる訳でもなく、かと言って小豆をしっかりと感じる事ができるつぶあんを使っています。バターも程よい甘さと塩があり、これがカリカリに焼いたパンとベストマッチ。実はあんバターサンド、初めて食べたのですが、これはハマりますね。付け合せも箸休めにちょうど良い感じ。オマケに焼きたてのポテトチップスも入っていて、結構お腹いっぱいになります。
5Fフロアと1Fフロア(エレベータ前)には、京都の珍しいお土産を買う機械が置いてありました。クレジットカードやPayPay、海外向けにアリペイ等を利用できます。自分は超絶好みだった、京焼 清水焼 の湯のみペアと、伝統工芸 aturae の西陣織バレッタを家族へのお土産に購入しました。勿論、サイト販売と同価格です。ちゃんと京都の工芸品を置いてある辺りにも拘りと郷土愛を感じました。
不満点
という訳でベタ褒めに近い Hotel Muso ですが、不満点もほんの少しありました。とは言え自分が…というより、様々な方が泊まるという前提でのお話です。
1. 家具がデザインに寄りすぎていて分かりにくい
特にトイレのボタンとバルミューダのレンジです。特に前者は文字が無く ロゴ のようなデザインの為、
最初はどこをどう押したら良いのか判りませんでした。そのロゴも一般的に想像できるようなものでは無いので
高齢者が使うとなったら厳しいと思います。
2. 1Fのエレベータ前がちょっと狭い
ちなみに館内は完全にバリアフリーです。入り口から部屋に入るまで、全く段差がありません。
その為、車いすの方でも普通に全く苦労せずにチェックインできると思います。
3. チェックイン方法が判りにくいかも知れない
暗証番号と使い方が送られてくるだけですし、こういう文明に取り残されたアナログな方はちょっと
利用する為の難易度が上がります
4. 3と同様に部屋への入り方が難解
覚えてしまえば何の事は無いんですけれどね。まずドア前にある暗証番号パッドを手のひらで覆う。
そうすると数字が出てくるので、教えてもらった暗証番号を入力すると鍵が開く。
入った後は、しばらく放置すると自動で施錠される。もしくは部屋の中のパッドをタッチしても施錠する。
と、説明すれば簡単ですが、いざ実際にやってみると結構戸惑います
5. おみやげ用の機械のUIがデザインに寄りすぎ
こちらも難癖に近いんですが、どうやったら目的のモノを買えるのか最初は判りませんでした。
まず一番最初に ◁ のところを数回押す。すると大ジャンルが色々と変わるので、欲しいメーカーのところで
押すのを止める。次に(どこか忘れた)画面上のボタンをクリックすると、現在 “その欲しいメーカー” の
販売可能品一覧が出るので、商品を押す。
最後に決済へ行き、決済して認証が通れば下のドアが開いて商品が取り出せるのです。
で…例えば Paypay を利用してみよう! と思うと、不安になります。決済の認証がおりて商品が取り出せる状態に
なるまで、30秒とか掛かります。
あれ? 決済失敗? とか色々と悩んでいると、漸くドアが開く。これ、決済方法としては致命的に遅いです。。
まあこれは Paypay が悪いんでしょう…
6. どの駅からも若干遠い…
これがマップですが、烏丸・四条・京都河原町の駅、どれを取っても少し遠いです。どの駅からも8分程は歩く必要があります。その分、隠れ家的な印象になりますし周囲は住宅街なのでとても静か、何と言っても寺町京極商店街まで徒歩で行けるのは最高です。祇園に近いのも良いですね。
7. 夜、フロントへの連絡がつきにくい
これは当然判っているのですが、やっぱり何かあった時にすぐ相談できるのはありがたいです。
8. 駐車場が無い
近くにコインパーキングがありますが、上限が若干高いのです。
色々と挙げましたが…
結論から言えば
最高のホテルです
友人からの紹介なので、贔屓目に見てるんじゃ? と思われるかも知れませんが、装備も含めて最高だとしか言えません。ただ、このホテルに合わない人がいます。それは…
ホテルでチヤホヤされたい人はダメ
という事だと思います。
リッツ・カールトン大阪の件を挙げましたが、あの様にエントランスにはボーイさんが待ち構え、車から荷物を持ってくれ、バレーサービスで車は勝手に駐車してくれる。ボーイさんは部屋の前まで荷物を持って付き添い、懇切丁寧に閉め方や部屋の装備品について説明をしてくれ、スーツケースを部屋の中まで持ってくれる。
この様なサービスを至極のモノと思っている人には、絶対に合わないので宿泊はオススメしません。
私、2日に渡って宿泊しましたが、フロントで会った人数0人。最上階のベランダで食事を作るスタッフさんに会っただけです。本当にこのホテル、スタッフさんいるの?!と思ったくらいに会いませんでした。しかし、2泊目にホテルへ戻ってきたところ、アメニティは全て補充され、バスタオルやその他諸々の消耗品は全て新しく変わっていました。
逆に言えば、私のようにコミュ障で「正直ほっといてくれ。装備品は自分で試すし荷物も自分で運びたい」という方には最高のホテルだと思います。必要最低限の事は完璧に熟してくれていますし、何より人に会わなくて良いのは最高です。ただ、ひとり静かにホテルを満喫したいのです。
それからこのホテルの利点としては立地が良い事も挙げたいです。
さっき駅から遠い言うたやんか!と言われるかも知れませんが、立地は駅だけではありません。お店というものもあるのです。まず、セブンイレブンまで徒歩30秒、コインランドリーまで徒歩1分という好立地です。何が言いたいか判りますよね? 更に寺町京極商店街や京都高島屋、市道136号沿いにはブランド・お土産・銀行等が揃っていて徒歩で歩きまわっても良いのは最高だと思います。レンタサイクルを利用すれば、八坂神社や二条城、東・西本願寺も行けます。京都を観光する上で、これがどれだけメリットがあるか…判りますね。
という訳で、「誰にも教えたく無いのに話さずにはいられない」というのは、その名の通りなんです。隠れ家的に使えるし、最高のスイートに宿泊しても1泊3万~4万円。クラスで言うと、ホテル ザ ミツイ キョウト の プレミアルームキング(10万円)に匹敵するレベルだと思いました。私はどちらにも宿泊した経験がありますので、比較できると思います。当然後者は二条城間近という立地の良さもあるでしょう。でも、私が「またどちらに泊まりたい?」と聞かれたら、HOTEL MUSO | 京都 ホテル ムソウ の プレミアスイートツイン 展望ジャグジー を選びたいと思います。ジャグジーや窓から京都の街並みを見ながらフリードリンクの瓶ビールを飲む。いや、これ最高の贅沢では無いでしょうか。
だから教えたく無いのです。
自分が使いたい時に誰かが使ってたら予約取れないじゃん!!
という理由だから教えたくないのです(笑)
ちなみに、Booking.com では予約可能らしいので、是非一度体験してみてください!