チューニングの虫が騒ぐ
別にエンジンには不満が無いんですけれどね。1*年前とはいえ、V6ですし。若干排気ガスがガリソン臭いのと燃料濃いんじゃね?と思っていた位です。ただ、ネットでたまたまサブコンが破格のジャンク値で売られていたので、これは…!!!と思い、買ってしまいました。
ほら、やっぱレーシングドライバーなるもの、ノーマルカーじゃ満足できないじゃん?(言い訳)
という訳で、シエクル製 MINICON-PRO をゲットしました。ここまで来ると病気な気もしますが、それはさておき。
公式ページを見ると、色々と書いてあります。書いてある通り、「燃調・制御ポイントが自在に操れるカプラーオンの燃調セッティングツール」ですね。エアフロセンサーの値をごまかして燃料を調整するというタイプのヤツです。
勿論セッティング次第では、激リーンとなるのでエンジンぶっ壊れる可能性もあります。特に高負荷時。なので、セッティングはかなり気をつけて行ってください。
当然DIYなので完全自己責任でお願い致します。私は何があっても関知しません。自信が無ければ本物を購入してプロに取り付けを頼むべきだと私は思います。この記事を読んで失敗しても、私は全く責任をとりませんのであしからず。プロへの支払いは安心と保険を買うものだと認識しましょう。
エンジンルーム側の仮設置と動作確認
こちらエアクリボックスです。エアクリからインテークマニホールドの途中にある黒いセンサー。これがエアフロセンサーです。トヨタはだいたい同じタイプだと思いますが、要確認。
まずはちゃんと動作するか確認しないといけません。格安品ですしね。という訳で、エアフロセンサーとの間に MINICON-PRO の配線を割り込ませます。
どちらにしても配線の引き込みは必要だったので、足元から配線をエンジンルームへ引き込みました。
一旦この状態で接続し動作確認をします。MINICON-PRO は動作すると青色LEDが点灯するので、最初は説明書(旧型)に記載されている初期値にダイヤルを合わせて( S-POINTを-5、FUEL-Aを±0 )、IGオンでLED消灯・エンジン始動でLED点灯を確認しました。その上で、エンジンを空ぶかしして、綺麗に吹ける事も確認。
ちなみにこのコントローラーに接続しないでエンジンを掛けると、当然エンジンチェックランプが点灯して、アイドリングがめちゃくちゃ不安定になります。ご注意を。
正式に設置。
動作確認ができたので、正式に設置していきます。
ニトムズ 自己融着テープを使って配線内部に水が掛らないようにします。元々の MINICON-PRO の配線がめちゃくちゃチャチだったので、ケーブルは全てコルゲートチューブで纏めて、その上から自己融着テープで巻きました。これなら多少の水が掛かっても配線内部が浸水する事は無いはずです。センサーは大きいのでエアクリボックスの上に固定しました。
エンジンルーム内は比較的余裕があるので、配線は上部を通して純正配線と纏めます。こちらも熱害が起こりにくい場所を選びましたがどうでしょうね。ヤバそうな所はコルゲートチューブをつけていますし大丈夫では無いかと…
車内の取り付け
足元から長く取り出した配線を綺麗に纏めていきます。当然コントローラーにはACCとGNDが必要なので、先日こちらで作成した電源ターミナルへつなぎます。これ、本当に便利です。
設置場所は色々と検討しましたが、どうせ殆ど弄る事は無いだろうという事で運転席右下のケース内部にする事にしました。配線を通す用の穴を開けます。ドリルで揉んだらズレて格好悪くなりましたが、どうせ見えないので無視します。
こんな感じで取り付けました。普段は見えないのでとてもスマートですね。弄る時だけ触ればいいですし、ゴテゴテとメーターやら何やらを付けるのは嫌いなのでここがベストかと。
完成&セッティング
このセッティング。意外と難しかったです。
まず、裏側にモード設定のスイッチがあります。
- FN MODE1 → 高負荷時はFUEL-Aにて設定した値が継続します
- FN MODE2 → 高負荷時はノーマルデータになります
- FN MODE3 → 高負荷時は2~3%増量します
設定に自信があればMODE1でいいと思いますが、AF計も無いのでMODE2にしました。MODE3は何に使うんだろう…高負荷が何を指しているのかは不明ですが、エンジン保護という観点ならターボ車両で抜けのいいマフラーをつけた時とかにオーバーシュートした場合の保護…ですかね?
で、次に判り易い FUEL-A についてです。
単純に中央から左右に回すと燃料の噴射量が増減します。時計回りで増量、最大+5%。反時計回りで減量-5%です。
この設定がいつ反映されるのか、というポイントを指定するのが、S-POINT です。
設定の前にまずはおさらいします。とは言え、自分も素人なので理解している範囲で記載します。
一般的に乗用車、街乗りをメインとした車は安全マージンを持って燃料は基本的に多め(リッチ)に吹いています。これはガソリン量が多い程、パワーを稼げるので加速する時にも良いですし、またガソリンの噴射量が増える事でエンジン内部が冷却されます。特に高回転エンジンや高回転まで回すターボ車にはエンジン保護にもなります。デメリットとしては当然燃費の悪化です。
逆に、燃料を少なめ(リーン)にしたらどうなるか。有害廃棄物が出にくくなるのと燃費の向上が期待できます。噴射量が少なくなるのですから当然ですね。デメリットとしては、エンジン内部の冷却が足りなくなる。そしてノッキング(異常燃焼)が起きる事です。
これなんかは判り易いですが、カラカラカラ…という音がします。ノッキングとは雑に言うと燃焼室の端の未燃ガスが”自着火”する現象です。これが発生すると、プラグで点火した分+未燃ガスの自着火により急激な燃焼が発生します。その熱によって燃焼室の一部やピストンが溶けたりする場合があります。特に高回転や高負荷時においてはその可能性がとても高くなるので、薄くしすぎる事は燃費以外で良い事はほぼありません。
ノッキングを防止する為にはいくつか方法がありますが、吸気温度を下げる・燃料を多く吹く・点火時期を遅らす・オクタン価の高いガソリン(ハイオク)を利用する等があります。ちなみに燃焼室内にカーボンが蓄積されているとそれだけで圧縮率が高まるのでノッキングが起きやすくなります。当然スパークプラグも劣化していたら綺麗に燃焼されないので、ノッキングは起きやすくなる…はずです。たぶん。あとは粗悪燃料(ハイオク指定の車にレギュラーを入れる等)をしても危ないですね。雑に言うとハイオクは燃えにくくしてあるので、点火時期を遅らせたのと同等の効果がありますが、レギュラーを入れてしまうと燃えやすくなるので、点火時期を早めたのと同じになりノッキングは起きやすくなります。
さて。
話が大きく脱線しましたが、 MINICON-PRO はそのノッキングを起こす可能性があるという点を考慮して設定をします。で、先のFUEL-Aはいいとして、S-POINT の設定です。
この S-POINT はたぶん、制御ポイントって意味でSなんじゃないかなーと思いました。S-POINT は減量・増量するタイミングを前後させる事ができます。内部的には低負荷・中負荷・高負荷という分類になっていて、S-POINT は基本的に低負荷でのタイミングを制御しています。つまり、アクセルをちょっと踏んだら即減量・増量したいのであればマイナス方向にセットし、踏み出しのトルクは欲しいけれど中負荷になったら減量・増量する、のであればプラス方向にセットします。
最終的には
自分の体感でセットしました。まず基本的にV6エンジンはハイオク指定なので、多少減量してもノッキングは起きにくいであろうと想定し、MODE2(高負荷時はノーマルデータ)、FUEL-A は -2% に設定。
で、S-POINTですがV6エンジンはトルクがあるので、燃費の事も考慮して S-POINT -3 に設定しました。これ、0 にしたり +2 にしたり色々とテストをしてみたのですが、確かにゼロ発進では若干のモタつきはあるモノのそこまで体感する程ではない & 街乗りだとゼロ発進を多用しますがゼロ発進は特に燃料を食うので、この部分での燃費を稼ぎたいという意図です。
高負荷になれば、自動的にノーマルデータに戻るのでその危険な部分でノッキングが起きる可能性は低いでしょうし、だいたい高速道路等で低・中負荷での燃料使用量が2%減るとそこそこ稼げるんじゃないかなーと思っていました。まずは初回テスト。東京都内をウロウロしつつ、八王子まで往復した時の結果。
今回燃費が 13.0km/L 。色々調べると都内ウロウロで 5~6km/L 、高速燃費が 10km/L 前後という方が多かったのでコレは悪くないのでは?と思いました。
更に設定を追い込んで自分のアクセルを踏むタイミング等を調べた結果、河口湖から中央道を通り若干の渋滞を経て、都内へと帰宅した時の燃費はこちら。
今回燃費が 15.1km/L 。うん、2t近い車で、16万km近く走行しているV6 3000ccにしては上々じゃないでしょうか。オイルは5w-35、ハイオクに AZ 燃料添加剤 FCR-062 FP101 を入れています。外気温が低かったのと吸気温度が低いのも幸いでしたね。エアコンをほぼ使わなくても良かったので、燃費が伸びました。燃費記録を見てもなかなかの好成績だと思います。