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2023/4 オーストリア訪問記 その3

王宮庭園から

前回はこちら

という訳で、少し時間が空いてしまいましたがその3です。これがウィーン最後の訪問記になります。

前回の記事で書いた、モーツァルト記念像はブルクガルテン(王宮庭園)という公園の中にあります。

この公園自体には深い由来は余りありませんでした。ちなみに、敷地内に壮麗なアールヌーボー様式の温室があり、多種多様な蝶が飼育されています。

この写真の右手にあるのが、植物・蝶園になります。それにしても、ぱっと撮った写真が絵になるの、本当にズルいなぁと思います(笑)
街自体に古くからある建物があちこちにあるので、近代建築に慣れた自分にとってはとても新鮮でした。

ウィーンと言えば…元祖ザッハ・トルテ!

ウィーンと言えばザッハ・トルテです。ウィーン発祥のチョコレートケーキで、かなり濃厚なチョコレートにアプリコットジャムの酸味がアクセントになっているのが特徴です。

このザッハ・トルテ。オーストリア宰相の屋敷に仕えたフランツ・ザッハが1832年に考案した菓子です。そしてその息子であるエドワード・ザッハが1876年にホテル・ザッハを開業しました。そのカフェで提供を始めてからというもの、一躍有名になりました。今でも初代と変わらぬレシピで作っているそうです。

実際に食べて見ましたが、濃厚 of 濃厚。思っていた以上にコーティングしてあるチョコが固いのにビックリしました。日本で食べるザッハ・トルテは比較的コーティングしたチョコは柔らかかったりします。日本人向けのアレンジでしょうね。ホイップクリームの甘さは若干控えめ。ただ濃厚なチョコの味変にはもってこいです。ちなみにカフェで提供していますが、隣のバーでも頼めば出てきます。メニューに書いていないので知る人ぞ知るという感じでしょうか。

カフェ・ザッハーはいつ行っても大行列で、大体1~2時間待ちです。さすが元祖ですね。

後発のデメル ザッハ・トルテ

こちらも有名なデメル ザッハ・トルテ。デメルとザッハー、それぞれハプスブルク家に公認されていますが、実はその歴史は争いだらけだったそうです。

ざっくりと説明すると、1930年代から長きに渡って権利関係で争ったそうです。最初は、デメルがホテル・ザッハーとライセンス契約を結んで作るようになりましたが、その後にホテル・ザッハー側が差し止め訴訟を起しました。話は少し前に戻ります。

先程、エドワード・ザッハがホテル・ザッハーを開業したと書きましたが、この躍進の影にエドワードの妻、アンナの経営手腕が大きかったとされています。しかし、そのアンナの死後は当然ながらホテル・ザッハーは財政難に陥りました。これを助けたのが、当時ウィーン王室御用達のケーキ店だったデメルでした。ちなみに経営者の名前はアンナ。先程の妻と名前は同じですが別人です。

で、そのアンナはザッハ・トルテをデメルでも販売する事を条件に資金援助をしましたが、この際に製造方法も流出したそうです。

しばらくはそのまま良好な関係が続きましたが、アンナとエドワードの死後、ザッハ家がデメル家に対してザッハ・トルテの製造(名前)の使用を禁止する裁判を起しました。この裁判は7年も続き、最終的にはザッハ家の勝訴になりました。但しそれ程の大勝利という訳でも無く、「オリジナルのザッハ・トルテ」を名乗れるのがザッハ家のもの。デメル家の方は「デメルのザッハ・トルテ」として販売する事ができる…という7年も何を争ったんだ…みたいな結果に落ち着いたそうです。

デメルのザッハ・トルテは、オリジナルに比べて濃厚というより調和という感じです。スポンジの表面のみにアプリコットジャムが塗られているのと、チョコ自体がそれ程濃厚では無いので”いくらでも食べられそう”という感じでした。ホイップクリームも若干甘く、味変というより相互作用で甘さを引き立てる感じでした。できれば紅茶、アールグレイ辺りと食べて欲しいですね。

オリジナルのザッハ・トルテは濃厚すぎて、1度食べたらしばらくはいいかな…という感じです。

ドナウ側クルーズは夜がいい

せっかくなので、ドナウ川クルーズを試してみました。1時間程ドナウ川沿いを見る事ができます。

乗船場所はこちら。City Cruises Vienna – DDSG Blue Danube です。空きがあればその場でチケットを購入して乗れますし、Vienna Pass(後述)でも乗る事ができます。

ただ昼間に乗船しても、それ程良い景色…という訳でもなく、やはり夜景を見た方がいいと思いますね。

圧巻のシュテファン大聖堂

宿泊場所からほど近い、シュテファン大聖堂。ここは昼・夜と違う姿を見る事ができるので、是非両方とも訪れて欲しい場所でした。

外から見て判る通り、ゴシック様式の大聖堂です。ウィーン大司教区の司教座聖堂であり、シュテファン寺院とも呼ばれています。2001年に世界遺産へ登録されました。

かのハプスブルク家の歴代君主の墓所でその亡骸は今も安置されています。そして、モーツァルトとコンスタンツェの結婚式が行われた場所であり、同時に葬儀が行われました。先日書いた通りモーツァルトは困窮していたため、コンスタンツェは彼の死後葬式を挙げる事もできず、このシュテファン大聖堂で他の亡くなった方と同時に葬儀が行われました。当然墓を建てる事もままならず、モーツァルトの遺体は共同墓地へ埋葬されたと言われています。当然、葬儀には誰もこなかった…という天才の末路としては余りに残酷な最期を遂げました。

建物自体の建築は12世紀に行われ、戦後に修復を歴て今に至るとされています。

言い忘れましたが、ハプスブルク家の墓所(カタコンベ)という名の通り、様々な方の墓所でもあります。地下にはペストで死んだ約2,000体の遺骨が埋葬されており、そのカタコンベのガイドツアーもあります。

墓所、という名に相応しく美しい彫刻や彫像・絵画が至る所にあり、一見華やかではあるのですが、雰囲気はとても重苦しく感じました。墓所というイメージを持って訪れたせいかも知れませんが……自分も蝋燭を灯し、鎮魂の祈りを捧げてきました。

街中には馬車がいるよ

そんなウィーン。移動方法はトラムやバスがメインですが、時間があればこの馬車もオススメです。それなりにお高いのですが、古い建物が立ち並ぶ街を当時と同じような馬車に乗って観光する。こういう風情のある観光はとても良いと思いますね。街中、至るところで見られますがシュテファン大聖堂の近くやホーフブルク王宮の近くに行けば沢山待っています。

最後に Vienna Pass について…

Vienna Pass 。観光都市にはよくあるパスで、これを持っていると色々な宮殿や観光地、移動代がタダもしくは格安になるというものです。種類は、1,2,3,6日とあります。これとは別に Vienna Flexi Pass なるものもあります。こちらは観光箇所限定のパスになります。

で、これ。一見凄く安くなるように見えるのですが…実際に3Dayを買ってみた結果、次回はいらないかなと思いました。もしくはFlexi Passだけでいいかと。まず、Vienna Pass が使える場所に行っても、使えるよ!という掲示がとても少なくよく見ないと気づかない看板だったりして使い勝手は本当に悪いです。

街中のバスやトラムで自由に移動する場合は、Vienna Pass のおかげで無料移動ができるのですが…実際に回ってみると街の中心部に殆どの観光地があるので、トラムやバスを移動として使う機会がほぼ無いです。それからちょっとした移動なら、電動キックボードや電動サイクルの方が遥かに楽なんです。特に有名なのが、Lime という電動キックボード。アプリをダウンロードしてインストールし、会員登録すれば終わり。乗り捨て可能なので、近くにいるキックボードがアプリに表示されます。あとは、ウォレットにお金をチャージすれば準備完了。

乗りたいキックボードの近くに行ってQRコードを読み込めば、ロックが解除されて乗れます。右ハンドルについているアクセルを押せば進みますし、左ハンドルのブレーキで止まる事ができます。ほぼ誰でも簡単に乗れますね。ちなみに利用時間課金です。あとは使い終わったらアプリから完了をすれば終わり。乗り捨て完了。

これがあるおかげで Vienna Pass のメリットがほぼ無いんですよね…実際宮殿の一部では割引にしかならなかったりしますし、結構面倒です。トラムやバスを多用したり、対象の施設しか回らないという方にだけはオススメします。

さて、次回からはハンガリーはブダペストへ移動します。
お楽しみに!

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