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2023/4 オーストリア訪問記 その2

美術と音楽の街

前回はこちら

という訳でその2です。
まず訪れたのは、ベルヴェデーレ宮殿 (Schloss Belvedere) です。

上宮・下宮とあり、どちらも現在は美術館として様々な絵画や彫刻を飾っています。上宮で有名な作品は、グスタフ・クリムト「接吻」や「ユーディット」があります。

元々は、かのオスマン・トルコ帝国との戦いの中ウィーンを守ったフランス貴族のオイゲンが、当時の有名な建築家ヨーハン・ルーカス・フォン・ヒルデブラントに建てさせたと言われています。ベルヴェデーレはイタリア語で美しい眺望という意味らしいですが、何故イタリア語だったのかは判りません。。

最初に下宮が建てられ、その後上宮が建てられました。1714年~1723年になります。そして、そのオイゲンの死後にハプスブルク家のマリア・テレジアに売却されたと言われています。今回は上宮から回ってみる事にしました。

宮殿へ入ると、それはもう息を飲むような美しさの天井画が自分を迎えてくれました。何が凄いって、天井画と壁の辺りの立体感です。下で見ていると実際は凹凸になっているんじゃないかと思うばかり。その位、陰影が強く描画されています。(ただ、こちらは2023年に修復されたものかも知れません)

天井はかなり高く、そして部屋はとても広く見上げているだけで時間が経つのを忘れるくらいでした。

グスタフ・クリムト「接吻」
こんな感じで名画であるにも関わらずツーショットが撮れるくらい、間近で見る事ができます。クリムトのファンにはたまらないでしょうね。

フランスの画家、ジャック・ルイ・ダヴィッド作「アルプスを越えるナポレオン」

この誰もが知る絵。実は5枚もあるってご存知でしたか?
ナポレオンはこの絵をとても気に入って5枚発注したそうです。ちなみに余談ですが、当のナポレオン。乗馬がとても下手で実際のアルプス越えはロバに乗って超えたのだとか。この絵をプロパガンダに使う辺り、ナポレオンの性格を感じる事ができますね。

中にはこんな当時のステンドグラスも飾ってありました。ひとつひとつの絵画全てを解説しているとキリが無いのでざっくりと雰囲気だけお伝えしました。

ベルヴェデーレ宮殿 上宮。下宮との間はこのようなバロック様式の庭園が続いています。結構な距離がありました。

イギリスを思わせるような背の高い迷路の様な木々もあり、本当に素敵な場所です。(語彙力低い)

ベルヴェデーレ宮殿 下宮。こちらは裏側(道と反対側)です。現在は工事中でこちらからは入れず、一度脇から正面に戻らないと入れませんでした。

入ってすぐの間。こちらも全て壁や天井に描かれている圧巻の絵。ここは定期的に四隅から霧を吹いていて、湿度を保っています。

順に
・グスタフ・クリムト「マリー・ブリューニグの肖像( Portrait of Marie Breunig )」
・グスタフ・クリムト「ユディトⅠ」
・クロード・モネ「セーヌ川に霧がかかった朝 (Mornings on the Seine)」
他にもゴッホ等、クリムトが影響を受けた画家という形で色々と展示してありました。クリムトの中では、マリー・ブリューニグの肖像が一番好きです。

街を歩く

大体海外へ行くと1日15,000~20,000歩は歩きます。過去1番はナポリでサルトリアを探した時でした。36,000歩、19.6km。

一瞬中世に迷い込んだかのような錯覚を起こす、こういう風景がとても好きです。

中世と現代のコラボレーション。昔はここを馬車が走っていたのかなぁ…とか色々と想像するとワクワクしますね。ぱっと切り取っただけの写真が絵になるの、本当にズルいです(笑

美術史美術館へ

そのまま歩いて、目指すは美術史美術館。ここは世界屈指といえる程、展示品も多く歴代皇帝のコレクション展示の為に、皇帝フランツ・ヨーゼフが建設しました。世界中の美術品があり、古くは古代エジプトから古代ギリシャ。そして18世紀末までジャンルを問わず展示されています。日本の貨幣も展示されていました。

細かな展示品についての説明は省きます。実際にその目で見た方が、より感動すると思いますので。これらの芸術作品はハプスブルク家の皇帝や大公たちによって集められたものだそうで…。いやはやさすが世界に名を轟かせたハプスブルク家ですね…

当然といえば当然ですが、建物自体にも美術品としての価値があります。天井画は勿論の事、通路や階段に至るまで様々な装飾がされています。これらも一見の価値はあると思います。じっくり見たら、ここだけで1日は必要でしょうね。。ため息しかでません。

広場を抜けモーツァルト像へ…

ウィーンを楽しむ場合、ほぼ10km四方程度の中で移動する事になります。その辺りに有名な建物や宮殿、ショップが目白押しだからです。

移動はUberやトラム、バスといったものを利用しますが、最近は電動キックボードで回る事もできるみたいです。これはUberやBoltが提供しています。

モーツァルト記念像。この前にはト音記号の花壇もあります。こちらは公園の中に設置されているので、歩いていればすぐに見る事ができます。このモーツァルト記念像。いかにもここにモーツァルトが眠っているかのように見えますが、ここには居ません。

というより、モーツァルトの遺骨は行方不明だからです。かの名作「アマデウス」でもその話が出てくるので知っている方も多いかも知れませんが、モーツァルトの遺体は共同墓地に埋葬されたそうです。葬儀は自体は行われたらしいのですが、埋められるところを見届けた人は一人も居なかったとの事。

モーツァルトは若干35歳の若さで他界しましたが、浪費癖があり妻のコンスタンツェは葬儀をするお金すら用意できなかったそうです。その為、聖シュテファン教会に遺体を運んで礼拝堂で葬儀が行われ、そのままウィーン郊外の聖マルクス墓地へ運ばれてそこで埋葬されたと言われています。

別日に、モーツァルトが過ごしていたアパートへ行きました。そこで生前の記録を垣間見る事ができますが、自分が最も見たいと思っていた、モーツァルトの手書きの楽譜。逸話通り、書き直した跡が全くありませんでした。オーケストラやオペラといった多重和音の楽曲を、全く修正無しで楽譜が興せる…まさに神から教えられたと思える程のインパクトでした。

お土産に「フィガロの結婚」の楽譜を印刷したポスターを買い、現在は自宅に飾ってあります。

まだまだウィーンの旅は続きます。

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